スタジオでボーカルが聴こえない事があります。
原因は演奏にもある事が多いですが、ボーカルの面から解決できる方法を考えてみましょう。
演奏が原因の場合はこちら↓↓↓
【ボーカルが埋もれてしまう原因】

・声質の問題
原因が声質にある場合です。
声には個人差があり、周囲の音に埋もれやすい声と、そうでない声があります。
声の抜けの良い人は、声を張って話したり、声を張って歌う必要がありません。
自分の声が演奏中に聴こえるので、声を張り上げる必要がありません。
ドラムやギターの音が多少大きくでも、声量の余力があるので、更に大きな声で歌う事が可能です。
逆に声の抜けが悪い人は、普通に話したり、歌っていても周囲にかき消されてしまいます。
演奏中に自分の声が聴こえづらく、普段から声のトーンが大きくなってしまいます。
普段から声の余力がなく、サビ等でも今以上の声が出せない事もあります。
喉を傷める危険性もあります。
※声の抜けが悪い事がボーカルの魅力がないという事ではありませんよ。
マイクの音量を大きくすれば良いと考えるかもしれませんが、あまり大きくしすぎると、ハウリングを起こすので、あまりお勧めは出来ません。
まずはボーカルの声が抜けやすいかを確認してみましょう。
抜ける声を習得すると、ライブやスタジオ、レコーディングでもボーカルの存在感を際立たせる事が出来ます。
抜けの悪い声だとしても、トレーニングにより改善は可能です。
トレーニング方法
① ハミング

声の通りを良くする練習で真っ先に挙がるのがハミングです。
ハミングとは鼻歌と言えば分かりやすいでしょうか。
ハミングは口を閉じているので、歌詞を口ずさむ事が出来ないですね。
音程を合わせる事だけに集中する事が出来ます。
また地声よりも高い声になるので、音域を広げる練習にもなります。
また口を閉じている以上、口から息を吸う事が出来ません。
必然的に腹式呼吸の練習にもなります。
またあまり大きな声をだす必要がないので、自宅でも簡単に練習が出来ますね。
方法
1.口を閉じる。
2.腹式呼吸を意識して、鼻から息を吸う
3.鼻を通して「ん~」と声を出します。
ハミングのコツとして、リラックスをする事です。
緊張して身体がこわばっていると、高い声が出なくなるので、まずはウォーミングアップを行い、身体をほぐしておきましょう。
また口を閉じると共に息が鼻からも漏れないようにしましょう。
息が沢山漏れていると、無理やり声を出している状態で、効果は今一つです。
鼻の下に手を当てて、息の量を確認しましょう。
ハミングに慣れてくれば、今度は好きな歌、もしくは作曲した曲で歌ってみましょう。
音程が取れるようになり、かなりうまく聴こえるようになりますよ。
② リップトリル

貴方は唇をぶるぶると震わせる事が出来るでしょうか。
慣れていないと意外と難しいものです。
震わせる事が出来ても1~2秒程でしょうか。
腹式呼吸をしながらだと、徐々に震わせる時間を増やす事が出来ます。
慣れてくれば今度は同時に声を出してみましょう。
口周囲の筋や、喉が緊張していると、抜けの悪い声になりやすいです。
一連のボイストレーニングをリップトリルと言います。
・方法
1.軽く口を閉じる。上下の歯は軽く離れた位置にする。
2.そこから口を少し開けて息を吸い込む。
3.口を閉じて、唇を少しだけ突き出して、閉じた唇の間から息を出して唇を振動させると共に声を出してみる。
リップトリルをしている時は、喉や口周りの筋がリラックスしているので、普段歌う時よりも高い声が出せます。
逆に言うと、その高い声まではボーカルとして出す事が出来るので、音域の拡大と共に、メロディの幅が広がりますね。
もし立って行うのが大変なら、座って練習すると、よりリラックスしやすいですよ。
リップトリルが出来るようになると、自然な形で喉を締めずにリラックスした正しい発声を覚える事が出来ます。
口周りに力が入りすぎているとうまく行えないので、行う前に頬を上げたり、手で顔をマッサージすると効果的です。
③ 鼻腔共鳴
鼻腔は鼻の穴の奥の空間で、空気の通り道になるところです。
この空間に声を響かせる事で、抜けの良い声を出す事が出来ます。
共鳴を確認する方法として、鼻の付け根を指で軽く摘まんで、「んー」と声を出してみましょう。
鼻が震えている感覚があれば、鼻腔共鳴です。
徐々に鼻を摘まむ力を弱くしていき、完全に手を離した状態でも、同じ声を出す事が出来れば、鼻腔共鳴は出来ています。
④ 録音して自分の声を比較しよう

何も発声練習をしない時と、リップロール等を行った時では声の抜けやトーンはかなり異なります。
その違いを聴き比べる事が大事です。
抜けが良い時の声の出し方を実際に聞いて確認する事で、上達も早くなると思います。
最初は自分の声を聴くと、耳から聞こえている声と異なり、びっくりするかもしれません。
逆に言うと、抜けの悪い声だとしても自分では気づきにくいという事です。
①~④の練習をしっかりと行い、抜けの良い声を手に入れられると良いですね。
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