はじめに
今でこそスタジオ練習の時、曲の構成確認などのためにスマートフォンやレコーダーで録音する人は多いと思う。
ひと昔前は、カセットテープやCD-Rなどの媒体が必要だったりと、今ほど手軽ではなかったのだが、スマートフォンの登場で”録音“という作業がより身近になった。
ここでは、手軽なスマホ録音よりも、より優秀な”ハンディレコーダー“について深掘りしてみたのでその有用性と実用例を紹介したい。
ハンディレコーダー”H4n”とは
まず、スマホ録音とハンディレコーダーの決定的な差というのは「音質」である。
説明するまでもないかもしれないが、スマホのボイスメモは、会話を録音するものであり、バンドのスタジオ練習といった”爆音“を録るのには向いていない。
たとえ安価なハンディレコーダーであったとしても、たとえそれをアンプの上などにラフに置いたとしても、ハンディレコーダーの方が”素材”として良いものが録れるというのが私の経験談だ。
そこで紹介したいのが、ZOOMのハンディレコーダー”H4n”である。
この製品は現在では第三世代の“H4n Pro”にまでアップデートされており、バンドマンのニーズに特化したハンディレコーダーなのだ。
具体的に言うと、現場でのライブ録音はもちろん、ライン入力による4チャンネルのMTRや、PCと楽器を接続するオーディオインターフェースにもなってしまうという多機能ぶりなのである。
要するに、スタジオでの“素材集め”から、自宅での“楽曲制作”といった作業が、この一台でできてしまうのだ。
それでは、次にわたしの使用例を紹介する。
私のH4nの使い方(ステレオ録音編)
私はスタジオ練習中、ずーっとレコーダーを録り続けている。
なぜかというと、練習中の会話も収録することで、あとで聴いたときに”なぜそのような編曲に至ったのか“といった裏付けを思い出すための、いわば議事録的な運用ができるからだ。
それと、スタジオ内での他愛のない会話が、曲のアレンジや、はたまたバンドの活動方針などにも活きてくることがあるので、2時間でも3時間でも、部屋に入ってから出る直前まで録り続ける。
これは、SDカード式の”H4n”であるからこその芸当であり、スマホ録音だと容量が気になってそこまで録り続けることは難しいだろう。
私のバンドはセッティングの最中にジャムセッションが始まることが多かったのだが、それも録りこぼすことなく、隅々まで聴きかえすことができた。
そして、後の新曲はこれらの素材から作られることが多かったことから、この”録り続ける”といった行為は私の定番となった。
私のH4nの使い方(オーディオインターフェース編)
もう一つ有効な使い方として、スタジオ内で”H4n”とPCとミキサーを接続し、手軽にプレイバックするモニター環境を作ることで、曲作りの効率が劇的に良くなるという使用例を紹介しておきたい。
“H4n”をオーディオインターフェースとして使うということなのだが、スタジオ練習時にPCと接続するというのがポイントだ。
具体的に言うと、H4nをステレオ録音モードにしPCと接続する。
そしてPCの音声出力端子とミキサー卓をつなぐ。
要するに、H4nが集音マイクとなり、PC内の音楽編集ソフト(GarageBandなど)に音声データが取り込まれる。
それをミキサーから出力して、メンバー全員で確認するという方法である。
取り込まれた”音声データ”は、キー操作やクリック1発でプレイバックすることができるので、曲のアレンジ案を聴き比べる作業が楽になり、効率的な作曲が可能になる。
これはセッティングに多少時間がかかるものの、スタジオ練習の効率が格段に良くなるので、作曲やアレンジ段階のスタジオ練習には、特にお勧めしたい。
まとめ
ハンディレコーダーで録音することの最大のメリットは、バンドの音を”データ化”することによって、メンバーとシェアしたり、自宅に持ち帰っての編曲作業が可能になることである。
録音した曲のスケッチを繰り返し聴くことでイメージが膨らんだり、アレンジが思いついたりと、たった数分の音声データの有用性は無限大ではないだろうか。
まだ”H4n”シリーズを試したことがないのであれば、メンバーでお金を出しあってでも手に入れてほしい。
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