ボーカルやコーラスにとって喉を痛めない事はとても大事です。
2~3時間のスタジオの他、レコーディング等を行う場合は声を出す時間は更に長くなります。
声を出す時、大事なのは喉を潤す飲み物ですね。
今回の記事ではライブや練習中などに飲んだ方が良い飲み物について紹介します。
【何故歌うと喉が痛くなるの?】
歌って喉が痛くなる原因は様々です。
① 喉や声帯が開いていない
歌う時に声の通り道になる喉をうまく開く事が出来ない場合、声の中に息が混ざります。
結果的に喉を枯らす原因になります。
② 腹式呼吸が出来ていない
腹式呼吸で声を出すと、芯の通った力強い声が出ます。
しかしうまく出来ていない場合は、無意識に改善を図る為、喉に負担をかけた歌い方をしてしまいます。
③ 高音の出し方が分からない
高い声を無理矢理出そうとすると、喉に負担がかかります。
高音は喉への負担が大きい為、ファルセット、ヘッドボイス、ミックスボイス等の裏声を使う発声方法が望ましいですね。
チェストボイス(地声)で高音域を歌うとすぐに喉を痛めてしまいます。
以上の理由で喉を痛める人が多いです。
プロのボーカリストは腹式呼吸や高音の出し方を熟知している為、レコーディングや度重なるライブでも声を出し続ける事が出来るわけですが、それでも喉への負担は蓄積します。
声帯はとても乾きやすく繊細だからです。
やはり喉の渇きを潤す飲み物はボーカリストやコーラスにとっては重要な要素になるでしょう。
【一番良いのは常温の水】
一番良い飲み物は常温の水が良いとされます。
水は声帯への影響が一番少ないからです。
声帯は私達が思う以上にデリケートな器官であり、飲んだものやその温度の影響を受けます。
常温の水の温度は大体20~35℃。
別名を湯冷ましと言います。
正直味はあまり美味しくないかもしれません。
ただ声帯の影響を考えるならこれがベストですね。
ちなみに冷水は大体5~15℃であり、人が美味しいと感じる温度だそうです。
夏場や激しいパフォーマンスをした後は、ついつい冷水を飲みたくなります。
ただ冷水で喉を潤した場合声帯の筋肉が固くなる為、声帯自体には良い影響は与えません。
ちなみに40~60℃の水を温水、60~80℃の水を高温水と呼びます。
高温水を摂取すると声帯周辺が乾燥しパフォーマンスは低下する為、良くありません。
温水は声帯の筋肉をほぐす効果もありますが、多く摂りすぎると熱い飲み物と同様に声帯が乾燥します。
【水にも種類がある?】
常温の水がベストなのはわかったとして、次に問題になるのは、軟水と硬水のどちらを選ぶかです。
軟水と硬水の違いはミネラル(カルシウムやマグネシウム)の含有量です。
WHO(世界保健機関)によると、、、
ミネラル120mg未満の水が軟水、120mg以上が硬水
と言われています。
このうち、ボーカルやコーラスにオススメするのは軟水です。
軟水は身体に浸透しやすく、唾液の分泌を促す他、喉の潤いも持続する効果があります。
軟水でメジャーなのは以下の通りです。
・いろはす
・南アルプスの天然水
・CRYSTAL GEYSER
ちなみに日本の水道水も軟水なので、一応は代用可能です。
コンビニやスーパーでも手軽に買える為、ライブやレコーディング前に購入しても良いですが、冷やされているとあまり良くないです。
前もって購入して常温にしておくなり、工夫しましょう。
一応お伝えすると硬水はミネラルを多く含む為、苦みや飲みごたえを感じます。
身体に浸透しにくく、軟水に比べると身体から流れ出るのが早いのです。
硬水でメジャーなのは以下の通りです。
・コントレックス
うっかり買った水が硬水だったらどうしよう。。。
と思うかもしれませんが、日本で売っている水のほとんどは軟水です。
一応確認の方法としては、ラベルの硬度を見れば違いは分かります。
常温の軟水を飲んで、声帯をいたわっていきましょう。
【他に良い飲み物は?】
その他に声帯に良い飲み物として
・OS-1
これはブドウ糖や食塩を溶かした経口補水液です。
上記に挙げた軟水は飲みやすいものの、ミネラルが少ないという弱点があります。
激しく動いた後は汗で多量のカリウムやナトリウムを失う為、別途でこれらを補充する必要が出てきます。
OS-1は多量に飲むものではなく、1日の目安は500mℓから1ℓなので、あくまでもメインで飲むものではありません。
メインは常温の水、サブにOS-1という使い方が良いでしょう。
・リコリスティー
DREAMS COME TRUEの吉田実和さんが愛用している事で有名になりました。
抗炎症作用、抗アレルギー作用等の効果を生み出します。
・油
飲み物とは少し違いますがオリーブオイルを飲むと喉の動きが良くなるとされます。
潤滑油となる為ですね。
サカナクションの山口一郎さんは第一声が良くなるという事で実践しているそうです。
喉が枯れる原因の1つが声帯の油分が不足する事なので、油の摂取は理にかなっています。
こちらはライブに持ち込むというより、歌う前に行って欲しいですね。
逆に言えば烏龍茶は喉を潤すのに良さそうですが、喉の油を洗い流す効果もあります。
その為ライブ中に持ち込むには良くないとされています。
またジュースやお茶等、いかにも喉を潤せそうな飲み物も実はパフォーマンスを上げる上では良くないものも多いです。
これらについても機会があれば紹介していきます。
【まとめ】
今回はライブや練習中に飲んだ方が良い飲み物について紹介しました。
正直なところオススメは常温の水一択です。
他にはミネラルを補給する為の経口補水液ですが、こちらはあくまでもサブ的なものですね。
皆さんも喉の渇きに注意しながら良いパフォーマンスで歌ってくださいね。
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