ライブ中におこるトラブルを最小限にする方法

ライブ関連
この記事は約7分で読めます。

こんにちは。

ローディーという仕事をしている谷と申します。

今までライブ中にトラブルは起きたことはあります?

・アンプから音が出なくなった

・ギターの弦が切れてしまった

・ドラムの皮が破けてしまった

リハーサルのときは全然大丈夫だったのに本番始まってすぐトラブルがおきてしまったり、トラブルの種類も沢山あります。

僕も色んな現場に行かせてもらい様々なトラブルを見てきました。

プロの現場でも入念な準備やチェックをしても、トラブルはいつ起きるか未だにわかりません。

トラブルがなくなることはありません。

ライブをしていたらトラブルはつきものです。

でも様々な現場を経験してきて「事前にふせげるトラブル」というのはわかります。

今回は実際に経験したトラブルや見てきたトラブルを紹介し、その後に事前にふせげるトラブルのやり方を紹介していきたいと思います。

スポンサーリンク

1.実際に経験したライブ中のトラブル

ローディーを18年やってきてトラブルを何度も見てきました。

その中でいくつかご紹介したいと思います。

・東京ドーム公演の映像収録日のベースソロで音が出なくなった。

自分の中では未だに忘れられない過去最大のトラブルです。

東京ドームを何日間もできるアーティストにベーステックとして行かせてもらった時の話です。

東京ドーム4DAYSファイナルで3、4日目にDVDの映像収録が入る日に3日目のライブ終盤のベースソロになってすぐにベースの音が出なくなりました

音が出てないことにはすぐ気づいたんですが、東京ドームという広い会場でステージ袖からメンバーがいるステージ中央まで行くには早くても10秒はかかります。

僕はそのとき咄嗟に予備のベースを渡しに行き、すぐベースチェンジをしたら音が出るようになったんですが、そのときは音が出なくなった原因はわかりませんでした。

ライブが終わったあとに先輩方に聞いたら「ワイヤレスの混線でしょ」って言われました。

ようは周波数が同じ送信機を同時にONにしたのが原因で音が出なくなりました。

通常ワイヤレスの送信機を同時にONにすると「キュルキュルキュル」という音が出てすぐに気づくのですが何故か自分には全く聞こえず、ただただ焦ったのを覚えています。

音が聞こえてれば混線だとすぐに対処できますが、自分には聞こえず即座に予備のベースを渡しにいったのを覚えています。

・前日と同じ症状のトラブルが起きた。

ホールツアー中の出来事で、本番中曲のイントロでギターのディレイがかからないというトラブルが発生しました。

そのときのギターシステムを簡単に説明すると

「ギター」→「エフェクターボード」→「AMP」→「AMPのSEND/RETURNでRACK式のディレイ」→「キャビ」

幸いにもそのエフェクターのチャンネルを変えたらディレイが出たので、即座にディレイ・タイムを打ち直してその曲にあわせました。

ただ翌日の会場リハーサルのときに色々チェックしてもその症状がでませんでした。

とはいえそのチャンネルを使用するは怖いので別のチャンネルでプリセットを組んでディレイ周りのケーブルも全て変えてリハーサルは問題なく終わりました。

その日の本番、同じ曲の同じイントロ部分で同じ症状のトラブルが発生しました。

チャンネルも変え、ケーブルも全て変えてリハーサルのときはそれで大丈夫だったのに、、

というトラブルがありました。

今紹介した2つのトラブルは同じトラブルでも種類が違います。

前者は人のミスによるトラブル。いわゆるヒューマンエラー

後者は機械によるトラブル。

人のミスはどうにかなりますが、

機械によるトラブルは「どうにかできること」「できないこと」があります。

ではどうしたら機械のトラブルを最小限にできるのか。

2.トラブルを最小限にする方法

最初に答えを話します。

答えは「チェックをしまくる」ということです。

そんな当たり前のことかと思うかもしれませんが、当たり前のことがトラブルを最小限に抑えることができます。

では具体的にどんなチェックをしまくるのか。

・エフェクターボード周り

ギターやベースでトラブルがおこる可能性が一番高いところがエフェクターボード周りです。

よくあるトラブルは、

①ボード内のシールドが断線しかけてる

②ボード内のシールドが少しだけ抜けてる

③ボード内のシールドの接点不良

④エフェクター本体の不良

などです。

①が一番多いトラブルの原因です。

断線しかけているものだと音が途切れたりします。

シールドもしくはパッチケーブルを手で揺らし断線しかけてるポイントを探します。

少し強めに波を打つ感じでチェックしてもらって構いません。

なぜならそれくらいでシールドがダメになるくらいなら近いうちに必ずダメになるからです。

チェックの基本はそこです。

②③もよくあるトラブルです。

エフェクターボードを持ち運んでいると必ず衝撃や揺れが発生するので色んな箇所が少しづつ緩んできます。

なんかの拍子にシールドが少し抜けてることもあります。

厄介なのは少し抜けてても音がでることがあります。

なのでちゃんと奥まで刺さっているかチェックしてください。

※プラグとジャックの相性というのはメーカーによってあり、相性が悪いメーカーだと初めから少し緩いものもあります。

接点不良はエフェクターに刺さった状態でプラグをグリグリと回してガサガサ音がでなければOKです。

ガサガサ音が出た場合は接点復活剤を綿棒などにつけてプラグ側、ジャック側に軽く塗ってあげてください。

塗りすぎはオススメしません。

④の本体不良は突然くる「どうにかできないこと」の部類ですが、エフェクター自体の音がいつもと違ければ疑いの余地ありです。

いつもと音が違うのは本体なのかケーブルなのか電源周りなのか、その原因を突き詰めることがトラブルを最小限に抑えることができます。

・ドラム周り

ドラム周りでよくあるトラブルは、

①シンバルスタンドの首が傾いてしまう

②キックペダルがズレてしまう

などです。

この上記に関しては機械的トラブルではないのでチェックをしまくって最小限にトラブルを抑えることができます。

 ライブハウスでセットをレンタルする場合は、シンバルスタンドの首周りのグラつきがないかをチェックする。

もしある場合は他のシンバルスタンドに変えてもらう。

たしかに首のネジをおもっきし締めることは傾くトラブル予防の一つでもありますが、それをずっと繰り返してるとネジが潰れていくのであまりオススメはしません。

手で限界まで締めてスティックなどで挟んで少し締めるくらいで十分です。

 キックペダルのプレートにガムテープを貼るのもひとつの手だと思います。

プロの現場でもやってる方は大勢います。

もう一つよくやるのはプレートの裏にマジックテープを貼ってドラムマットにくっつけてしまうやり方です。

絶対に動かないわけではないですが、毎回ガムテープを貼る手間が省けるのでやる方が多いです。

ただこのやり方はドラムマットにマジックテープが張り付く素材限定になります。

ドラムは機械じゃないだけに色々準備すればトラブルを最小限に抑えられるパートでもあります。

そのかわりシビアな機材が多いので丁寧で繊細な作業が多いパートでもあります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回数ある中から少しだけですがご紹介させていただきました。

ただこれらはプロの現場でもトラブルが多いところなのでぜひ参考にしてみてください。

ただアリーナやドームクラスのライブでトラブルが圧倒的に少ないのは、

徹底的なチェックをしているからです。

当たり前と思うことを一つづつ徹底的にチェックをする。

それでもトラブルはつきものですから絶対にゼロにはなりません。

あと長年ローディーをやってきた経験から、怪しいと思ったところを対処しなかったとき必ずトラブルになりました。

ここ怪しいかもと思ったところが後に必ずトラブルの原因になります。

なので少しでも怪しいと思ったら、「交換する」「今日は使うのをやめる」など怪しいところを排除することでトラブルを未然に防げます。

最小限にトラブルを抑えるにはライブ前やリハーサルのときにこれらをチェックしたり、準備しておくことがとても大切です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました