【コピーバンドは学生や社会人バンドだけじゃない!】
講師の仕事や自分のオリジナルバンドである程度収入を得るようになった頃、知り合いのバンドマンに自分がコピーバンドを組んでいると話した時、「えっ、今更?」とか、「社会人バンドみたいだね」なんて言われる事がありました。
・コピーバンドってプロの人がやる必要あるの?
確かにバンドでメジャーデビューしてプロになるには、コピーではなくオリジナル曲で勝負しなくてはなりません。
コピーバンド(モノマネ歌手)で100人以上集客出来たり、イベントなどの営業の仕事を取っている人もいますがごく稀な話で、コピーバンドと聞いてイメージするのは、学生か社会人が組むいわゆる趣味のバンドですね。
プロデビュー目指してやっている人たちからすれば、そんな趣味みたいな音楽なんてやってらんないよ!と言われても仕方ないかもしれませんし、自分もそう思っていたうちの一人です。
しかしその社会人のコピーバンドから声がかかり、演奏面は期待できないけど、ギャラもらえるならまぁいいかという軽いノリで参加することに。
そんなに必要?というほど、ライブ前に何度もリハに入らされたり、コミュニケーションの一環でリハ後にご飯を食べに行ったり、結構面倒な付き合いもありましたが、音楽的なところで気づきや発見が沢山ありました。
・素人の目線で無茶な要求をされる
まずコピーバンドという事で、ほぼ完コピした状態のプレイを要求される事が多々ありました。
しかも相手は素人なので、同期を使わないと出ないようなリズムの電子音や、ツインギターじゃないと作り出せない音作り、キーボーディストは1人なのに、ピアノを弾きながらブラスセクションやストリングスまで、なんでも出来ると思って要求してきます。
実際プロの人たちは幾つも音を重ねてレコーディングしていますし、ライブでは同期を使ったりするので、メンバー以外のスタッフやサポートメンバーの力を借りてあの音を作り上げています。
確かに出来ないモノは無理とハッキリ伝えるようにしましたが、どうやったら原曲の雰囲気に近づける事が出来るかも考えてみました。
オリジナル曲のバンドをやっていると、自分の出来るプレイや音作りになりがちで、そのような経験も出来なかったので、コピーバンドに参加した事で、新たな気づきや発見が沢山ありました。
・オリジナル曲のバンドは引き出しが必要
プロ志向のメンバーだけを集めて、オリジナル曲のバンドを組み、バンド名も曲の方向性も決まって、ライブの予定もコンスタントに入れ、ホームページを作ったり、SNSも毎日更新したり、いつかレコーディングや全国ツアーもやってみたい。
そんな夢や目標を持って活動しているバンドを沢山見てきました。
メンバー自ら作詞作曲をし、スタジオで何度も何度も音を出して、どんどん曲が出来上がってくる、まるで料理を楽しんでいるかのような、とても有意義な時間ですね。
しかしオリジナル曲というだけあって、作詞やメロディーの作曲以外に、イントロ、間奏、アウトロ、歌の合間のオブリガード(フレーズ)、キメなど、沢山考えないといけない事があります。
いくつかバンドを経験して思った事ですが、この作業が得意な人が意外と少ないんです。
ある程度曲が貯まってくると、この前の曲とコード進行一緒じゃない?とか、またB♭のキー?飽きたな~という気分になってしまいます。
自分のフレーズに自信がない、なんか弾きたいんだけど・・・ん~思いつかないな~みたいな。
そんな時にふと、コピーバンドやらない?と声をかけられ、最初はいまさら高校生みたいな事してもね~と思ってしまいましたが、実際やってみると新鮮でした。
単インパクトのあるフレーズ、おしゃれなコード進行、サビ前の格好のいいキメ!
自分の中にありそうで無かったヒントが沢山見つかりました。
【耳コピではなく、バンドスコアで確認しよう!】
先ほどコピーバンドの重要性についてお伝えしましたが、コピーバンドはコピーバンドでやり方を間違えると意味がないことがあります。
・適当な耳コピ
完全にコードもフレーズも耳コピしてくれれば問題ないのですが、そのような人に限ってコードを聞き取り間違ったり、弾けないフレーズは誤魔化して弾いたり、シンプルな曲なのにやたらとスネアやタムを入れて派手してきます。
それじゃあ意味がないんです!
出来るだけ原曲に近づける努力をし、バンドで音合わせする前に、しっかり予習して下準備が必要なわけです。
・予習が大事
練習して弾けないのであれば仕方ないですが、コピーバンドをやる目的は、自分にないフレーズやアレンジを身につける事、そして弾けないフレーズを何度も練習して、身体にしみこませるという事です。
オリジナル曲のバンドだと、スタジオでせーので音だして、アレンジを作っていたりして、それで満足しちゃって、ライブ前以外は家で練習なんてやらないよという方も多いのではないでしょうか。
予習や練習が面倒くさい、弾けるフレーズや自分の好きな音楽だけ出来ればいいなんて考えている方は、相手に迷惑がかかりますので、プロを目指すのはやめた方がいいと思います。
プロを目指しているのであれば、ちゃんとしっかり伝えたほうが相手の為になりますし、積もり積もった不満はいつか爆発し、解散の原因になりかねません。
・INとOUTの割合は、INが8割、OUTが2割くらいがちょうどいい
社会人でコピーバンドを続けている人に言われた言葉です。
常に外から刺激を受けて、自分の引き出しを増やしていったほうが楽しい、吸収したものはたまに出すくらいがちょうどいいとの事。
引き出しが無い状態で出しても、途中でネタが無くなってマンネリするだけですもんね。
【まとめ】
さて、今回はコピーバンドの重要性について、独自の視点でお伝えしてみましたがいかがでしたでしょうか?
何をコピーしたらいいのか迷う方も多いかもしれませんが意外と簡単です。
自分たちがやっているジャンルに近い音楽性のバンドをコピーするのが近道です。
ぜひチャレンジしてみてくださいね。
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