実は見返り多い?!昨今敬遠されがちのチケットノルマを徹底解説!!
「はじめに」
バンド活動を始めると大多数のバンドがライブ活動を始めます。
バンド結成後の当面の目標と言うのが「曲作り」、「音源制作」、「ライブ活動」、「CD制作」に大体絞られ(少し今の時代違う部分もあります)、それくらいライブをすると言う事の優先順位は高いのです。
ここで、色んなライブハウスをリサーチしていきます。
リサーチの際は大体「先輩が出演していた」、「有名なバンドが昔出演していた」、「独自のフェスを企画している」、「自主レーベルを持っている」とかが多いですね。
そのリサーチの中で「ノルマはどれくらいか」と言う部分も気になるバンドは多いはず。
今回はその「ノルマ制度」に着目しお話を進めていきます。
「チケットノルマ制度とは」
チケットノルマ制度とは、出演する際ライブハウス側からバンドへ課す条件の事で、基本的には枚数を伝えられます。
例えばチケット1枚¥2,000で、チケットノルマが10枚の場合は¥20,000分保証してくださいと言う事です。
あとはこれにプラスして機材使用料で大体¥3,000くらいかかりますので、合計¥23,000と言ったところでしょう。
これを高いと感じるか、安いと感じるかは人それぞれですね。
勿論土地柄や店の方針によって条件は違いますので一概にこれが基本かと言われると難しいですね。
もっと言うと15年くらい前はチケットノルマ30枚という時代もありました。
昨今10枚でも多いとされるのは、そうゆう時代なのかもしれませんね。
また、なぜチケットノルマ制度があるのか。これはライブ活動をしているバンドには知っておいて貰いたいですね。
各ライブハウスにはホールレンタル料金というのが存在します。
料金がどう決められているのか説明します。
- 人件費(給与、交通費等)
これはPA、照明、アシスタント、ドリンクスタッフ、受付スタッフ、担当制作人等にかかる費用です(これもライブハウスによって人数が違います)。
- 家賃
これは各会場全然違うと思いますが、都心のホールレンタル料金が高いのは此処が大きく関わっています。
- 電気代
ライブハウスは電力を沢山使います。
- 機材や設備の維持費
機材等はいつか寿命がくるものでもあります。また、急に壊れたり、故障する可能性もあります。
大まかにはなりますが、これだけのお金が毎日かかっています。
そして、これを基にホールレンタル料金が決まっていくわけですね。
そのホールレンタル料金で保証されていない日がブッキングの日なわけです。
そう言ったブッキングの日も¥100,000(平日)のホールレンタル料金であれば、最低でもそれと同じくらい確保しなければ、最悪のケースで言うとライブハウスが潰れてしまったりするわけですね。
1例ですが、チケット代¥2,000でチケットノルマ10枚の条件のバンド5組が対バン式に集まれば、その日はようやく最低売り上げになるわけです。
そこにドリンクの売り上げ、打ち上げの売り上げが入り、やっと少しプラスの利益となります。こうして経営者も安心して営業を続けられるわけですね。
「チケットノルマのメリット」
チケットノルマ制度は条件枚数以降チャージバックがあります。
これもライブハウスによって違いますが、場所によっては以降100%で返してくれる場所もあります。
10枚条件のライブで30人呼んでみてください。
20人分のチケット売り上げが返ってきます。
赤字を出さずにライブをやりたいバンドも沢山いると思います。
またライブハウスとバンド間にwinwinの関係性があり、バンドの音楽性や、やる気次第ではライブハウスで気に入られます。
そうすると他のメリットも付属してきますね。
冒頭で話した様に「ライブハウス主催のフェスへ出演」や「ライブハウス内レーベルからCDリリース」の他に、「レーベルや事務所への紹介」等。全ライブハウスにあるわけではないですが、そう言ったメリットがどのライブハウスにも細かく沢山散らばっているということです。
そうゆう部分の見返りを含めると、ノルマ制度というのは見返りも沢山あり、winwinになれる制度だと思いますね。
この記事を読んだ方で「バンドに集客丸投げ」、「そんなお客さん呼べない」、「そんなお客さん入る時代じゃない」など思う方にお伝えします。
ライブハウス側のスタッフが赤裸々にこうやって話しているというのはどうゆう事か考えてください。
バンドに寄り添って理解してもらわなければいけない時代だからです。
お金はどうしても絡んできますがライブハウスにバンドが嫌いなスタッフは殆どいないでしょう。
アイドルが多いライブハウスでも制作人のバンド出身者多いと思います。応援しています。
味方であり敵じゃない事を忘れないで欲しいです。
「バンドに集客丸投げ」、「そんなお客さん呼べない」、「そんなお客さん入る時代じゃない」というバンドを応援するのは難しいですよね、スタッフも人間ですので。
バンド内で解決出来ない事や、「どうしたらお客さん呼べるか」など答えは無い事柄も多いのは事実で、そうゆうのを一緒に考えてくれるのもライブハウスの制作人です。
チケットノルマも払わない、お客さんも呼べないバンドに対し、そこまで考えてあげる制作人は少ないでしょう。
※例外も勿論ございます。1例だけ載せます。
毎月イベントに出てくれて、そのバンドの出演が決まるとイベントの質が上がり、対バンが集まりやすく、集客アベレージは8人程、出番が終わるとメンバー達は終演までお酒をドリンクカウンターで買い飲んでいる。
そして、制作人と今後の活動方針をしっかりディスカッションできるバンドは、もうこれだけで売り上げに加え他の部分においてもwinwinな関係性が構築されています。
こう言ったバンドはチケットノルマが無かったりしますが、長い時間をかけて構築した関係性だったり、こうなるまでに沢山ノルマを払ってきているバンドが多いです。
「まとめ」
バンド活動を始めるにあたって、そして活動を続けるにあたってライブハウスとの関わりは切り離せない部分でもあります。
勿論バンド側に選ぶ権利がある様に、ライブハウス側にも選ぶ権利はあり、どちらが偉いとかは一切ありません。
時代が変わっていくのは確かで、それに甘えてしまってたり、言い訳にするのも仕方ない部分だと思います。
ですが、それでも売れていくバンドはいますよね。
最初からチケットノルマ無かったと思いますか?
最初から沢山お客さんいたと思いますか?
例外もありますが、恐らく大多数のバンドが同じ経験をしているはずです。
本気で売れたいというバンドをライブハウスはいつでも応援しています。
記事を読んでくれたバンドマンに何かしら気持ちが届くと良いなと思い書かせていただきました。
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