ギターを始めれば、まずTAB譜を見ながら曲をコピーしていくでしょう。
指がある程度自在に動くまで(中級者)の練習ならそれでもいいのですが、上級者を目指していくならコピーをしながらフレーズの意味やコードの動きを考えていく必要があります。
天才肌のギタリストで、自らの曲で勝負する人。
例えばジミーヘンドリックスみたいなプレイヤーでもない限り、何も考えないただのコピーはもうやめましょう。
今回は、なぜそう思うのか?といった根拠や、コピーの際に考える事。最後に、リアルな楽曲を例に挙げて練習時の頭の様子を解説していきます。
事前に必要な知識
・スケール
・キー
・ダイアトニックコード
・度数の意味
・ノンダイアトニックコード(わかってたら最高!)
よくわからない方は下記の記事をご覧ください。
思考停止の楽曲コピーが効率悪い理由
コピーする際になにも考えてないと、何が悪いのでしょう?
それは、他の場面で応用ができない事と、細かいところを長期間記憶するのが難しいことです。
体が覚えるほど弾きこんだ曲なら例外と言えますが、ほとんどの曲は1か月たてば同じような演奏はできないでしょう。
指の動きをすべて覚えるのはとても効率が悪いんです。
そして記憶にも定着されてなければ、他の曲に応用することなんてできません。
キーが違う曲ではお手上げになってしまいますよね。
練習の際は、何かに紐づけて記憶するのが一番なのです。
そうすることで、曲自体をなんとなく覚えていれば、1年たった後でも演奏を思い出すことができます。
あなたが作曲する曲に応用することもできますし、アドリブの際のアイデアとして蓄積されてくでしょう。
楽曲をコピーする際に考える事
それでは、練習する際はどんなことを考えればいいのでしょう。
何に紐づけて練習していけばいいのでしょう。
今回はこの2つです
・コードを度数表記で覚える
・ソロ中はスケール、コードも意識する
他にも考えるといいことはあるのですが、そこには難しい知識も出てくるので、また別の機会にご紹介します。
上記の2つだけでも、めちゃくちゃ練習になります!
曲全体とまでは言いませんが、要所要所で上記のことを意識しましょう。
コードを度数表記で覚える
「キーはC。Aメロの始まりはダイアトニックコードで言う4度から始まる。
コードの進行は、F→G→Em→Aだから4536の進行なんだな。」
というように、コードをダイアトニックコードの度数表記で覚えます。
Aメロ、Bメロなどの区切りの位置では何度のコードから始まるのかを意識していると最高です!
こうすることで、どのキーでも応用することができますし、何より覚えるのが楽です。
「次はエフでー、ジーで、イーマイナーでー、エー…えっと、エーメジャーだっけ?」
コードネームで覚えようとするとこんな場面がよくあります。
ダイアトニックコードの度数表記で覚える事でマイナーメジャーで苦しむことはだいぶ少なくなるでしょう。
ノンダイアトニックコードが出てきたときは、メジャーかマイナーも覚えましょう。
4536の3度がメジャーなこととかよくありますからね。
ノンダイアトニックコードをあまり知らない方は下記の「耳コピや作曲に超影響!定番ノンダイアトニックコード」の記事をご覧ください。
ここで紹介した6つのノンダイアトニックコードをあらかじめ覚えておけば、記憶はさらに簡単になります。
ソロ中はスケール、コードも意識する
一番伝えたい部分はここです。
ギターソロの時は、それを覚える事に夢中になっていて、裏でなっているコードに意識がいきにくいのです。
「キーがCで、コードの進行は4536。そのうえでソロが弾かれているんだな。」
と理解しましょう。
この意識は、他の楽曲に応用する際非常に役に立ちます。
キーの違う同じコード進行の曲であれば、そのままそっくり代用することも可能ですしね!!
ここでポイントは、スケールの何度の音からひかれているのか、何度の音に着地するのかを意識することです。
全部するとなると膨大な情報量になってしまうので、要所要所で。
「Cメジャースケールの3度の音から始まっているな。」
というように。
そうすることで、そこを起点にソロを覚えやすくなります。
それに、音使いが意識的に学べておすすめです。
曲の覚え方には、人それぞれのやり方がありますが、
他の場面で応用できるようにするには、これらの方法が一番だと思います。
アドリブ力が大きく上がりますので、即興セッションなんかで音楽を楽しめるようにもなります!
[ALEXANDOROS]-ワタリドリで解説
実際に、どんなことを考えながらコピーしていくか解説していきます。
・手順1 キーを探る
必ずキーは判別しましょう。
この曲のキーはAメジャーですね!
・手順2 コード進行をとり、度数表記に置き換える
『イントロ』
A →Dadd9→Fm →D Eになります。
1 →4 →6 →4 5の進行ですね!
度数で覚えれば、定番のコード進行なんかも覚えやすいです!
コードで覚えると、キー次第で変わってしまいますから。
・手順3 フレーズをとる(どこから始まるか)
「てーてーてれてーてー てーてーてれてーてー」の音をとりましょう(笑)
3弦14フレット、3弦16フレット、2弦17フレットが使われていますね。
始まりの音は、ルートの音(A)から始まっていました。
「この曲の開始は、ルートの音から始まっているんだな。ここ人差し指起点で覚えよう。」
こんな風に記憶しました!
これを繰り返していくだけです。
これで「1音上げでワタリドリひいて!」なんて要望にも応えられますね!
まとめ
曲を覚える際、何も考えないで弾き込むのは、技術の向上になります。
ですが、それだけです。
応用が利かないのです。
コード進行を理解して、何度の音から音が鳴るのかを理解すると、忘れても思い返しやすいです。
いろんなキーにも対応できて、曲が同できているのか詳しく分析することができる。
いいことづくしではないでしょうか。
セッションバーなどに行くと、定番のセッション曲を演奏するのですが、場合によってキーが違かったりします。
その状態でアドリブソロを弾くのです。
先ほどの練習が生きるわけです。
ワタリドリのイントロも、フレーズの案として利用することができますね。
そのキーのルートの音から弾き始め、2度、5度…。
このフレーズのままではカッコよくないかもしれませんね(笑)
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