ボーカルの皆さんは歌う時に腹式呼吸を行えているでしょうか。
喉を痛めない為にも、張りのある声を出す為にも腹式呼吸は必須です。
今回は腹式呼吸の説明や、方法についての記事になります。
【腹式呼吸と胸式呼吸】
腹式呼吸は文字通りお腹から声を出す呼吸法です。
腹式呼吸では息を吸うと横隔膜が下がり、肺の下方に空気が入り、お腹が膨らみます。
呼吸の際に胸や肩の筋肉を使わず、喉をリラックスした状態に出来ます。
分かりやすいのは寝ている時の呼吸です。
息を吸うとお腹が膨らみ、息を吐くとお腹が元に戻ります。
これが腹式呼吸ですね。
胸式呼吸は息を吸う際に、肺を覆っている肋骨が広がります。
この時に胸や肩の筋肉を使うので、喉にも力が入ってしまいます。
分かりやすいのは急いで走った時等、息を切らしている時の呼吸です。
肩が上下しているのが分かりますね。これが胸式呼吸です。
【腹式呼吸のメリット】
腹式呼吸は前述した通り、喉をリラックスした状態に出来ます。
その為長時間歌っても声が枯れる事がありません。
もし貴方が2~3時間程スタジオに入り、声が枯れるようなら、腹式呼吸は出来ていません。
他にも…
・ロングトーンや長いフレーズも歌いやすくなる。
・吐く空気の量が多いので、より大きく張りのある声が出せる。
・発声にも余裕があるので、ボーカルの細かなニュアンスや感情表現が出来る
・ラップやテンポの速い曲でも1つ1つの単語を聞き取りやすく出来る。
等沢山あります。
ライブは特に緊張しやすく、身体に余分な緊張が入りやすいです。
余分な緊張+胸式呼吸による喉での緊張が伴うと30分のライブでも最後には声が枯れてしまいます。
【腹式呼吸の練習】
・まずは感覚を掴むところからですね。
仰向けで行うのが分かりやすいです。
何故仰向けかと言うと人間は寝ている時は必ず腹式呼吸になっているからです。
①仰向けになり、限界まで息を口から吐く。
②鼻から沢山息を吸う。
③吸う時の2倍を目安にゆっくりと時間をかけて息を口から吐く。
以下これを繰り返す。
・慣れてきたら今後は立って今の動作を繰り返します。
腹式呼吸の内容自体は同じですが、今後は姿勢を意識しましょう。
①両足を肩幅と同じ広さにする。
②背筋を伸ばし、両腕は下に垂らす。
③重心を少し前にする。
④目線は正面を観る。
重心を前にするのは腹圧をかける事で、腹式呼吸をしやすくする為です。
また一連の呼吸をしている際に、胸や肩が上がっている場合、胸式呼吸になっています。
視覚で確認する為にも、鏡があると分かりやすいですね。
もし一連の呼吸がうまく行えない場合、身体がリラックスしておらず、余分な力が入っているのかもしれません。
深呼吸や肩をくるくる回す等して、筋の緊張を解きましょう。
また息を吸う事を意識しすぎると、身体の中に入っている空気を吐き出せていないとうまく行えません。
コツを掴むまでは大変ですが、頑張ってみましょう。
【実際に声を出す】
立位でも腹式呼吸が可能になれば、今後は実際に声を出してみましょう。
音程は貴方が出しやすいもので良いです。
・音程を決めたら、その音程の声を出しながら、同じ息の強さで最後まで吐いていく。
これだけです。
しかしずっと声を出していると、徐々に息が苦しくなり、声の強さや音程が変わってきます。
しかしここでブレずに同じ音程で声を出し続ける事が良い練習になります。
声のブレは自分の耳では判断が出来ないかもしれません。
バンドメンバーや録音機器で確認すると良いですね。
保持時間も分かれば、記録を更新出来てモチベーションの向上に繋がるかもしれません。
【腹式呼吸を意識する】
人間普段から腹式呼吸をしている訳ではありません。
日常生活は胸式呼吸が主です。
普段の生活でも意識して腹式呼吸をしてみましょう。
仕事や学校生活でも、お腹から声を出す機会を設ける事で、皆さんからの印象も変わるかもしれません。
また腹式呼吸を繰り返す事で、普段から喉を労わる事になりますし、腹筋の筋力強化にも繋がります。
他にも腹筋そのものを鍛えましょう。
・腹筋トレーニング その1
①仰向けになり、両膝を立てます。
②手を首の後ろに回し、首を曲げ、肩甲骨の下角まで身体を起こします。
身体を起こした後で、すぐに戻しても良いですが、5秒ほど保持すると、更なる筋力強化になります。
・腹筋トレーニング その2
①仰向けになり、両膝を曲げます。
②そのまま股関節を90度 膝関節を90度に曲げ、そのまま10秒程保持します。
③曲げている膝をゆっくりと伸ばします。10秒保持後に膝を曲げ、ゆっくりと足を床につけます。
トレーニングは2の方が大変です。
特に女性は筋肉痛になる場合もあるので、無理のない範囲で行いましょう。
おわりに
いかがだったでしょうか。
腹式呼吸をマスターする事はボーカルにとって避けては通れない事です。
一日ですぐにマスター出来るものではありませんが、練習を繰り返す事で必ず出来るようになるので、是非とも頑張って下さいね。
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