20年以上のライブ経験から見出した”ライブのリハーサルを見る“という行為に、どれだけの有用性があるかを書き起こしてみた。
ライブハウスでの過ごし方を少し変えるだけで、あなたのバンドはもっとカッコよくなる!
リハーサルが見れるのは、バンドマンの特権
まずは、みんながPAさんによく注文するモニタースピーカーの”返し“について。
ギターの音や、ベースの音を、モニタースピーカーから”返し“てもらっていないだろうか?
ライブハウスでのアンプの役割は、バンドのためのモニターのようなもの。
それを理解している人たちは、PAに注文する前に、アンプのボリュームや向きを変えることで、ある程度のモニター環境を作っているのである。
たとえば、ドラマーからベース音を求められた場合は、アンプでボリュームを上げるか、ドラマー側に向きを変えるというやり方である程度は対応できる。
ギターがうるさくてドラムが聴こえない場合は、ギターアンプのボリュームを絞るか、いっそのこと壁側に向けてしまうという発想すらある。
このように、自分たちが最高のパフォーマンスを演るにあたっての、最適なモニター環境が分かっている人たちのリハーサルは、PAへの要望も的確で早く、とても勉強になるのである。
見て気になったものはどんどんマネする習慣を付けて、リハの最適化を目指そう!
使用機材やセッティングについても有益な情報がたくさんある
持ち込み機材の中には珍しいギター、エフェクター、シンバル、キックペダルなどなど、たくさんのアイテムがある。
どんな音がするのかを、人が代わりに試奏、試打してくれているようなものだ。
これをライブハウスの現場で生で聞けるというのは、なかなか有益ではないだろうか。
その他にも、気になっていた機材や、買おうとしている機材、試してみようと思っているセッティングがあれば、リハの合間にひと声かけてみよう。
同じ志を持つもの同士、機材トークが盛り上がるハズだ!
例として、著者がよく声をかけられるのは「それどこのベースですか?」というもの。
塗装が剥がれたヴィンテージなボディに、ヘッドが無地のプレベ。
これをリハでブリブリ弾かれたら、気にならないベーシストはいないだろう。
私もそう思うが故に、声をかけられるとベラベラと気に入っているポイントを話し始めてしまう。
あなたも情報収集の場として、リハーサル〜ライブハウスオープンまでの時間を有効活用してみてはいかがだろうか。
リハーサルの持論
そもそも、リハーサルのやり方なんて誰も教えてくれない。
リハのやり方はバンドごとに異なる。なんなら各メンバーによっても姿勢が異なる。
そんな多様なリハーサルという行為について、持論をあげてみた。
・マネから始めよう
前項で挙げたように、モニターの注文など、いいなと思ったらどんどんマネして自分のものにしよう。
これといった正解はないので、自分に合ったスタイルを見つければ良いと思う。
・外音はお任せで
ライブハウスの特性を一番理解しているのはPAさんです。
楽曲の雰囲気はセッティングシートで伝わるので、限られた時間の中でいちいち外音を確認に行くよりは、自分の演奏位置でシッカリとモニターを確認しよう。
リハでは演奏に集中できる環境づくりをして、本番でベストなパフォーマンスができるように準備をしよう。
良いライブは、メンバーとPAの信頼関係で生まれる!
・セッティングは再現性重視で!
ライブハウスやスタジオに常設のアンプといえば、マーシャル、ジャズコーラス、アンペグ辺りだろうか。
持ち込みアンプがないという人は、これらの機種の特性をスタジオで事前に確認しておくと、リハのセッティングがスムーズに進む。
例えば、全国のライブハウスやリハスタで、アンペグの”SVT-450+SVT-810E”という組み合わせは、ド定番と言っていいほど多い。
この場合の著者のセッティングはゲイン以外はフルテンと決めている。
これが絶対オススメとは言わないが、私はこうすることによって、ダイナミクスが得られるし何より時短という点で、パーフェクトなセッティングだと思い込んでいる。
こういう定番アンプの扱いに慣れておけば、全国どこのライブハウスに行っても大丈夫だ!
おわりに
かく言う私も、昔はロクにリハも見ずにご飯を食べに行ったりしていたものだ。
たまたま見たリハを「これいいな」と思ってマネしたところから、この記事に至ったのかもしれない。
今となっては、ロック、弾き語り、アイドルなどなど、時間がゆるす限り”リハ見学“を楽しんでいる。
あなたもリハに限らず、色々な気づきをマネしてバンドライフをアップデートしていってほしい。
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