ピアノコラム⑦ ソロやコードに対してのスケール。導入編③。ドミナントスケール

ピアノ・キーボード関連
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こんにちは。

前回は、7つのモード(旋法)を一つ一つ解説していきました。

簡略的ではありますが、各々の特徴や基礎は学べたかと思います。

今回は、ドミナントコードにテンションが表記されている場合のスケールをご紹介していきます。

前回のコラムでは、ミクソリディアンがそれに当たりましたね。

7の音を半音下げることで7thのコードになりドミナントサウンドが生まれるという中身でした。

しかしながら、テンションは7thだけではなく、9、11、13等があることは前のコラムでも紹介済みです。

今回はこのようなドミナントコードにテンションが足されている場合のスケールを学んでいきましょう。

段々と本格的なスケールの話になってきましたが、必ず役にたちますから頑張っていきましょう。

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1 ドミナントコードでのスケール

・リディアン♭7thスケール

リディアンスケールのスケール・ディグリーに+で、7の音を半音下げたスケールです。

つまり、4の音は半音上がり、7の音は半音下がります。

ドミナントコードに#11thのテンションがある場合に使用します。

例を挙げると、C7のウラコードであるF#7を使用する際に用いられます。

ウラコードとは、5度圏と呼ばれる12音の循環図上で、円の中で向き合う音の関係のことを言います。

裏コード dn-voice.infoより引用

例をもっと簡単に言えば、ドから数えて11番目の音を半音上げるとF#7となります。

実際に弾いてみるとわかりますが、明るさのリディアンスケールと比較してブルージーな癖と、メロディアスな雰囲気を足したような印象になります。

・オルタードスケール

スケールの構成音が、コード音のルート、3度、7度以外はテンション(♭9、#9、#11、♭13)で構成されているスケールをオルタードスケールと呼びます。

主にジャズなどで良く利用され、オルタードを必須とも言う方もいらっしゃいます。

呼び方も様々あり、ディミニッシュホールトーンやスーパーロクアリアン等と呼ぶこともあります。

よく利用されるケースとしては、ドミナント7thコードにオルタードのテンション表記がある場合や、マイナーでのドミナントコードとして使用することが多いです。

音質的には、大変哀愁を帯びたブルージーな表現方法になると感じます。

また、前述したリディアン♭7thスケールの第4音をスタート音として並び替えるとオルタードスケールとなります。

5度圏の関係性を利用して覚えることが近道です。

オルタードスケールで必ず覚えて欲しいのは、ドミナント7th以外では利用出来ないことと、全ての音を使用する必要性はないということです。

適材適所あると思いますが、この2つだけは頭の片隅に置いておいて欲しいです。

・コンビネーション・オブ・ディミニッシュ・スケール(以下コンディミ)

2つのディミニッシュコードの構成音から出来ている8音のスケールです。

スケール・ディグリーでは、♭2、#2、#4、♭7と4種の音が変化します。

非常に不安定な音程と暗さを持ち合わせたスケールです。

ディミニッシュスケールの第2音をスタート音としたスケールで、良くコンディミとディミニッシュスケールは混同しやすいです。

ですが、第2音をスタートするということを覚えてしまえば別のスケールとして覚えるより楽に習得できるでしょう。

使いどころとしては、他のスケールと同様ドミナントコードやディミニッシュコード上になります。

他のスケールより出番は少ないですが、その分フレーズ作りは難しいです。

他の連続したコード進行の中にあるフレーズの善し悪しを決めてしまう程、非常に大事なスケールです。

・ホールトーンスケール

構成音全てが全音で構成されている6音のスケールです。

音質の特徴としては、曖昧、不安定、不思議等、音楽の核となる部分が不透明な状態になります。

スケール・ディグリーでは、4、5の音を半音上げ、7を半音下げます。

ここでいう7の音は6つ目の音に当たります。

他のスケールとは少し毛色が違い、コード進行の一部分のみの使用が一般的で多用されることはあまりありません。

しかしながら、クラシックではホールトーンを全音音階といい、ドビュッシーやラヴェルといった印象派の作曲家に多く用いられました。

音楽の新たな試みとして使用されたスケールと言えるでしょう。

・ハーモニック・マイナーP5t below

構成される音にマイナー色が強いテンションである、♭9ht、♭13thが含まれるスケールです。

このスケールはハーモニック・マイナーの第5音からスタートするスケールでもあります。

スケール単独での響きはエスニックで若干怪しげな雰囲気を醸し出します。

ドミナントコード7thコードで多用されることが多く、最近の曲でも見かけることがあります。

スケール・ディグリーは、2を半音下げ、6、7も共に半音下げの形になります。

2 終わりに

ここまで沢山のスケールと特徴をお話してきましたが、今回は前回より内容が濃く特殊なスケールも多く紹介させていただきました。

現在のポピュラー音楽でも使用されるハーモニック・マイナーP5t belowや、ジャズ等では不可欠なオルタードやコンディミ等、ジャンルに合わせてこれらのスケールを学び昇華させて貰えれば幸いです。

きっと、今までのソロや楽曲作りが大きく変化し、より良いものになるでしょう。ピアノはコードとメロディが同時に鳴らせる貴重な楽器です。

その特性を活かしバンドの中の中核になれるよう頑張りましょう。

次回は、ペンタトニックヘキサトニックになります。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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