「ドライバー編」に引き続き、楽器のメンテナンスに使用する工具を、種類別に紹介していきたいと思う。
ドライバー編はこちら↓↓↓
今回あなたに買っていただきたい工具は、”六角レンチ“である。
用途はというと、ブリッジサドルの調整や、ボリュームノブのイモネジを締めたり、トラストロッドを回すなど、楽器のメンテナンスでは結構な頻度で必要になってくる。
そもそも楽器購入時に付属品として付いてくる事が多いので、ギタリスト、ベーシストであれば、一本や二本持っているだろう。
ミリとインチ知ってる?
ギターやベースには、ミリかインチ規格いずれかのパーツがセットアップされており、これは楽器の原産国によって異なる。
基本的に、フェンダーやギブソンといったUSA製のものはインチ規格が採用されており、国産のモデルはミリ規格というのが一般的だ。
ただし、国産メーカーでもインチ規格のパーツを使っているメーカーもあるので、工具を選ぶ際には注意してほしい。
要するに、ミリ規格のレンチを、インチサイズのネジ穴に入れても、正しくフィットしないのである。
ミリもインチも、コンマ数ミリの違いなので、うまく引っ掛かっる場合もあるが、そこで力を加えるとナメたり、破損に直結するだけなので、正しい規格とサイズを選んでほしい。
とりあえず100円ショップで揃えよう
こちらも100円ショップのものでも十分使えるので、6〜8本セットのやつを買っておこう。
ちなみに、本数については多ければ多いほど良い。なぜなら一本一本で揃えると割高になってしまうのと、「あと、もうひとまわり小さいサイズがほしいのに。。。」といったケースが多いからだ。
楽器に使われているネジのサイズはマチマチなので、ドライバーと同様、適切なサイズの選定がポイントになってくる。
よって、複数本使用することが想定されるため、セットものを買うというのは必然なのだ。
ちなみに100円ショップの六角レンチは、ミリ規格が殆どなのだが、インチ規格のセットも存在するので、見つけたらどちらも購入しておこう。
ゆくゆく使うことになるかもしれないし、2セットでも、200円(+税)という驚異的なコスパなのだから、買っておいて損はないだろう。
ロッドはダメよ!
しかしながら、ネックのトラストロッド調整に限っては”Tハンドル“や”ボールポイント“を採用した”専用のレンチ”を使う方が好ましい。
ネックによって異なるが、ロッド調整用のネジ穴は、ピックガード下などの奥まったアクセスしにくい場所にある場合が多い。
そのため、専用設計でないと適切なトルクを掛けることができず、ナメてしまう危険性が高いのだ。
ご存知のとおり、ロッド調整のできなくなったネックは反ってしまうと交換するしか改善する方法がなくなってしまう。
間違っても、100円ショップの六角レンチで、ロッドだけは調整しないようにクギを刺しておきたい。
アップグレード版はこちら
わたしはベーシストなので”フェンダーのBass Truss Rod Adjustment Wrench”というレンチを使っている。
その名のとおり、フェンダーのベースに特化したレンチなので、使い勝手が良く、安心して使える。
価格はサウンドハウスだと 1,300円 程なので、専用工具として安い方ではないだろうか。
そして、万能型で選ぶなら、ドライバーの時と同様”PB SWISS TOOLS(ピービースイスツール)”をオススメする。
プロも使う工具なので、セットだと 10,000円を超えてしまうのが難点だが、こういったものを購入することにより、日常的なメンテナンスのきっかけにもなるとも言えるので、思い切って買ってしまうのも得策かもしれない。
ただ、高価ゆえに躊躇してしまう人は少くないかもしれないが、それはプレイヤーとして正常な価値観ではないだろうか。
要は、ちゃんと締めたり緩めたりできれば良いので、どこに比重を置くかは自分次第であり、どんな価格帯であろうと全て正解なのだ。
おわりに
最初から高価な工具を買う必要はないので、日常的なメンテナンスと、応急処置ができる程度の工具を揃えておこう。
その前に、目視程度でもいいので、弾く前にいちど全体を眺めてあげるというメンテナンスも実施してみてほしい。
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