みなさんはバンドのライブを見に行った時、キーボーディストがいないのにピアノが鳴ってたり、ブラスやストリングスの音が聴こえてきたりして不思議に思った事はありませんか?
今回はバンドサウンドにそのような音を同期させて演奏する簡単なやり方を紹介します!
同期を使うとバンドの可能性が広がる
まずはその簡単なやり方をお伝えする前に同期を使うとどんなことが出来るのか挙げていこうと思います。
1.足りないパートをカバーする
まず割とありがちなのがドラムがいないのでドラムはオケで流すというパターンです。
この場合オケであるドラムがそのままリズムをくれるので普通にipodなどから音源として出せばいいだけですが、ドラムはいるけどベースがいないとかギターがいないという場合、同期を使えばフルバンドの音になります。
2.有名曲をカバーする時に使う
有名曲をカバーする時に自分達のバンドの編成以上だった場合カラオケ音源をダウンロードするサイトから必要なパートだけをダウンロードすることができます。
海外ではパブなどでカバー曲を演奏して盛り上げるという事をよくやっており
「Karaoke version」という有料サイトでパート毎にダウンロードして後述する編集をして演奏しています。
ここは洋楽しかないのですが邦楽曲が個別にダウンロード出来るサイトも検索したら出てくるかもしれませんが今のところ自分は見つけられていません。
無いのかもしれません。
3.バンドの表現の幅を広げる
特にポップスやクラブサウンドを生かした音楽をやってるバンドであればPadサウンドや高性能なソフトシンセで作ったシンセの音を使いたいと思います。
ソフトシンセをライブでリアルタイムで使うのはレイテンシーの問題があるのでほぼ無理ですね。
そんな時、同期を使えばそのパートは演奏する必要が無いのでソフトシンセで音を何重にも重ねたような音もライブで使う事が出来ます。
いよいよ本題!簡単に同期を利用するやり方とは!?
お待たせしました。ここからがいよいよ本題です。
同期を利用するという事はつまりクリック音をオケに含まずに自分達だけで聞くという設定をどうするかという事を意味します。
最も簡単なやり方に必要なのはipodなどの音楽プレイヤーと小さなミキサーとケーブル類だけです!場合によってはミキサーも必要ありません。
先ほど出てきた「karaoke version」というサイトだとサイト上で編集が出来るのですがオリジナル曲やオケを自作する場合、DTMで編集をしなければなりません。
編集といってもそんなに難しい事ではありません。
「パン」を利用するだけなのです。
トラックは2つ用意して1つにはオケを入れてもう1つにはクリック音を入れます。
このクリック音はライブ中は他の音と混ざって聞こえにくいので聞きやすい音色で目一杯ボリュームを上げておきましょう。
個人的には音色は「カウベル」がオススメです。
それでも聞きにくい場合はオケの音を下げて出力先で全体のレベルを上げると聞きやすくなります。
そしてこの2つのトラック、片方をRに目一杯振りきり、もう片方をLに振り切ります。
この状態でDAWによって色々言い方はありますがミックスダウンをします。
ではその音をヘッドホンで聴いてましょう。
片方のヘッドホンにはクリック音、もう片方にはオケが流れていませんか?
そうなったら成功です。
次にそのオーディオデータをipodなどの携帯音楽プライヤーなどに読み込み、ヘッドホン端子に先が赤と白の2つに分かれているケーブルを差し込みます。
そしてこの赤と白のうちクリック音が入っている方を小さなミキサーに差し込みます。
ミキサーのフェーダーでクリック音の音量を調整出来ます。
クリック音の調整をする必要なければイヤホンの延長コードとプラグの形を変える機器を使えばミキサーもいりません。
オケが入ってる方をライブハウスの場合はキーボードなどからのケーブルを差し込むDiに刺します。
スタジオの場合はメインのミキサーですね。要はキーボードと同じ扱いです。
そしてクリック音を差し込んだミキサーから出力するのはクリックのみになっているはずなのでここからイヤホンをドラマーが聞きながら演奏して、他のプレイヤーはそのドラマーからリズムを取り、演奏します。
ドラマー以外もクリックを聞きたい時はイヤホンをみんなでシェアするためのケーブルなども電気屋などに売っているのでそれを使うと簡単にシェアが出来ます。
Bluetoothのワイヤレスヘッドホンはズレるので使用はおすすめしません。
ただしこれは5G環境になったり性能が上がったりすると今後は使えるかもしれません。
ワイヤレスの場合は無線だとずれずに演奏が出来ます。
ちなみに自分は無線でクリックを聞いてキーボードを演奏してましたが特に問題はありませんでした。
ここで皆さん不安なのが「モノラルにして音は悪くならないの?」という疑問があると思います。
これは当然ながらステレオよりは音は悪くなりますが音色によっては他のパートのバンドサウンドと混ざってあまり気になりません。
とは言えこればっかりは一度リハーサルスタジオなどで聞いてみて自分達の耳で判断するしかないと思います。
どうしてもステレオのいい音で同期を使いたい!という時
ステレオでオケを流したい時はパソコンを使わざるを得ません。
必要な機材はDAWをインストールしたパソコン、「4ch以上」のアウトプットを持ったオーディオインターフェイス、ケーブル類です。
これも設定はシンプルでDAWの中でトラックをオケとクリックに分けて、アウトプット先を変えるだけです。
あとは先程と同様、片方をクリック音としてメンバーが聴き、ステレオのオケをDIに繋げば準備完了です。
ちなみにさらにアウトプット数が多いオーディオインターフェイスを使うとオケの個別の楽器を現場で調整するこ事も可能になります。
ステレオで使う場合はこのように機材が増えてしまいます。
これが果たして負担に見合った効果が得られるのか・・・バンドのメンバー内でしっかり話し合わなければなりません。
ピアノだけとかブラスだけのオケであればステレオにする意味はあまり無いのかなと思いますがステレオの左右の広がりを前提に作ったシンセ音だと音の良さは変わってくるかもしれません。
以上、同期の使ったライブの仕方でした。
コメント