売れる曲を作りたいなら楽曲分析しろ!【コード進行編】

作詞・作曲関連
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みなさんこんにちは。

曲、書いてますか?

作曲にもある程度慣れてきたら「もっとキャッチーにしたい!」とか「売れる曲を書きたい!」という欲望が湧いてくる頃だと思います。

今回はそんなみなさんの要望にお応えするべく、やるだけで作曲力がアップする「楽曲分析」の方法を分かりやすく解説します。

売れている曲には売れている理由が必ず存在します。

楽曲分析の仕方を覚えれば、あなたの作る曲のクオリティーは確実にアップします。

今回は「コード進行」に焦点を当てて、更に深く分析するための方法を紹介します。

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初めての楽曲分析

楽曲分析とは、音楽理論を用いて楽曲がどう作られているか知る学問です。

作曲をする方なら既存の曲を聴いて、その音楽がどのように成り立っているのか分析しますよね。

それを論理的に行うのが楽曲分析です。

全然難しく無いし、楽譜が読めなくてもできるのでぜひ気軽にやってみてください。

実はコード進行においても売れるコード進行というものがあり、有名なものだとカノン進行」「小室進行」「王道進行などがあります。

作曲をかじっている方なら聞いたことがあるんじゃないでしょうか。

売れている曲にはある程度のパターンが存在します。

この楽曲分析方法を覚えることで、そのパターンを知ることができます。

それではやっていきましょう。

ディグリーネーム

本格的な楽曲分析の方法を解説する前に、知っておくべきルールを紹介します。

Cキーを日本語で言うとドレミファソラシドですね。

その一音ずつにギリシャ数字で番号を振ったものをディグリーネームと呼びます。

この呼び方は音楽理論で頻繁に使われますので覚えておいてください。

更に、スケールの各音をルートとして作ったコードをダイアトニックコードと言います。

Cキーならこれ。

すべてのキーに合わせたダイアトニックコードがこれ。

このダイアトニックコードをもとに考えていきます。

では実際にどのようにして分析していくか説明します。

キーを調べる

まず、分析したい曲がどのキーなのか判別しなければなりません。

今回はOfficial髭男dismの「Pretender」でやってみようと思います。

去年めちゃくちゃ売れましたよね。

なんであんなに売れたの?と疑問に思われた方も多いはず。

プロモーションもかなりお金がかかっておりそちらの力も大きいのですが、実は楽曲に秘密があります。

それではキーを判定していきましょう。

キーの調べ方

まず調べたい曲のコード譜を調べます。

ネット上にいくらでも転がっているので探してみてください。

この時注意すべきなのが「原曲キーのコード譜を用意する」ということ。

実は原曲キーでなくとも分析には問題ないのですが、最初のうちは分かりづらいので原曲キーのものを用意しましょう。

それでは「Pretender」のイントロ部分のコード進行を見てみます。

A♭→E♭→C7→Fm→B♭m→E♭

この曲は割とシンプルなコード進行なのですぐに分かります。

まず、上の表とコード進行を照らし合わせて使われているコードが共通しているキーを探します。

A♭キーのコードと、A♭・E♭・Fm・B♭mが共通していますね。

ということで「Pretender」はA♭キーということになります。

しかし、A♭キーだとすると「C7ってキー上に無いコードだけどなんなの?」という疑問が浮かんできます。

これは「ノンダイアトニックコード」と呼ばれるコードです。

キー上に無いけどコード進行に使えるコード郡のことを指します。

初心者の方には非常に分かりづらいコードですよね。

ですから実際にコード進行を分析する際には、大まかにキーを絞り込んでから細部に目を向ける方がやりやすいかと思います。

それからAメロに入るとB♭が出てきます。

これもノンダイアトニックコードです。

ノンダイアトニックコードを効果的に使うと、俗にいう「エモさ」を表現できます。

「エモい音」の正体は〇〇の音を使うこと

今回はイントロだけで判定できましたが、それだけでは分からない曲が出てきた場合は他の方法を取ります。

まず上の方法でキーを二つくらいに絞ってから、「強進行」と呼ばれる音楽の基礎的なコード進行を探しましょう。

ツーファイブワン)ですね。

これがある方がその曲のキー、ということになります。

「Pretender」では分かりやすい所で言うとAメロ最後「君とのロマンスは人生柄~」の部分です。

BmE♭→A

これをディグリーネームに直すと

典型的なツーファイブワンですね。

セブンスコードやオンコードも最初のうちは無視してしまって構いません。

ルート音がどれなのか、で考えていくといいでしょう。

それではこの曲の象徴的な「サビ」部分を分析してみましょう。

A♭→E♭→C

君の~

FmEm7→A♭→D♭7

辛いけど~

Cm7→Bm

その髪に~

E♭→A

グッバイ~

一番はこれを2回繰り返す進行ですね。

それではこれをディグリーネームで置き換えてみます。

ⅥmVm7→

Ⅲm7→Ⅱm

実はこの曲は「カノン進行」をもとにした作りになっています。

カノン進行は上でも述べたとおり「売れるコード進行」と言われているとっても有名なコード進行です。

あいみょんの「マリーゴールド」もカノン進行でした。

日本人好みの曲になるコード進行ですが、その分多用されているのでメロディが似通いやすいというデメリットも持っています。

カノン進行は

となります。

「Pretender」ではサビ出だしがカノン進行をもとに作られています。

「君の~」の部分ですね。

サビの出だしでグッと心を掴むためでしょうか。

そこから2~3小節目ではカノン進行から変えて切ない感じを演出しています。

歌詞の内容とコード進行の雰囲気をリンクさせると曲のメッセージ性がより伝わりますね。

それから3~4小節目でツーファイブワン進行を通ってまたAメロに戻る、という形ですね。

非常によく考えられたコード進行だと思います。

カノン進行を現代風にアレンジし、ツーファイブワン進行をミックスすることで「ジャズをルーツに持つOfficial髭男dismらしさ」があふれるコード進行だと言えるでしょう。

(ツーファイブワン進行はジャズでよく使われるコード進行です。)

作曲能力の高さがうかがえる一曲ですね。

コード進行だけでも売れた理由がよく分かりますよね。

終わりに

どうでしたか?

コード進行って面白く無いですか?

今回紹介した分析方法以外にも様々なやり方があります。

自分のやりやすい方法でいいと思います。

それより必要なのはインプット量。

ぜひいろんな曲を分析してみてください。

新しい発見があると思いますよ。

売れた曲を分析し、それを自分の曲に落とし込んでいけばあなたもいつか名曲を生み出せますよ!

それではまた会う日まで。

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