ベーシストなら1度は5弦ベースに憧れるのではないでしょうか。
今回は5弦ベースの概要と、メリット・デメリットについて解説していきます。
これから多弦ベースの購入を検討している方は参考にしていただけたら幸いです。
【5弦ベースとは】
ベースは通常4弦(E-A-D-G)ですが、5弦ベースだと最低音であるEよりも5フレット分音が低い「Low-B」音弦を付加する事が出来ます。
最近はRADWIMPSの武田さん等、5弦ベースを用いたベーシストも増えており、バンドスコアでも目にする機会は増えています。
【メリット】
・個性が出る
「5弦ベースでライブに出る」これだけで強烈な個性になります。
ライブはビジュアルも大事なので、観客に何かあると思わせる意味で効果的です。
・音域が広がる
4弦ベースの最低音は、通常チューニングなら4弦の開放弦であるEですね。
例えばDの音を弾く時は4弦の10フレットや、3弦の5フレットを押さえる必要があります。
[メロディは音が下がるから、本当は重低音の方がメロディーと合うのに…]と思う事もあるでしょう。
そんな時は5弦ベースの出番です。
4弦ベースでは表現出来ないB~Dの低音を鳴らす事で、演奏の幅が広がります。
4弦ベースでは表現出来ない音を表現出来ますね。
また4弦の開放弦のEよりも、5弦の2フレット目のEの方が弦が太い分、音も違って聴こえます。
ただ5弦の開放弦であるBはかなり音程が低くなるので、音程感が薄れてきます。
弦の選択(130よりも135の弦の方が太めで、案外音程感が出ます。またステンレス等の弦を使う等)やエフェクターで輪郭をはっきりさせる等の工夫が必要かもしれません。
・縦の動きでフレーズが弾ける
例えばGを4弦3フレットで弾くと、5度の音Dは3弦5フレットになりますが、Low-B弦があると5弦3フレット、オクターブ下の5度も使えます。
3度、5度といったベースに基本的な動きの選択肢が増えます。
フレットを押さえる左手側もフレット間の横の動きだけでなく、1~5弦内で縦の動きで同じフレーズを弾く事が出来るので、左手は案外動かす範囲は減ります。
ネック自体は4弦ベースよりも太いですが、弦と弦の間は実は4弦ベースよりも狭いので、実は手の小さい人や指の短い人にとっては5弦ベースの方が弾きやすいと感じる事もあるそうです。
・5弦を指置きに使える
ベースを弾く時は弾く弦の一つ上の弦に指を置く事が基本です。
4弦ベースで4弦を弾く際には、自身の指を置くスペースがありません。
ピックアップに親指をかけたり、専用のフィンガーレストを取り付けるケースもありますが、5弦ベースだと4弦を弾く際に5弦を指置きに使う事が出来ます。
【デメリット】
・重い
ネックが太い分、確実に4弦ベースよりも重いです。
中には軽いものもありますが、4kg後半を超える場合もあります。
ここまで重くなると、ライブで動き回るにはそれ相応の体力が必要です。
また腰痛にも注意が必要です。
・値段が高い
ベース本体もそうですが、弦も1本増えるので、値段が当然上がります。
また田舎だと5弦ベース用の弦のバリエーションが少ないかもしれませんね。
またピックアップやブリッジ等のパーツ交換の際も、選択肢が少なかったり、高価な事も多いです。
・ミュートやスラップ
ベースは弾いている弦以外は、ミュートが基本です。
特に5弦ベースは振動で鳴りやすく、左手でミュートが出来ない場合は、握り込んだ親指を使う事もあります。4弦ベースに慣れている人はフォームが異なるので、練習が必要です。
スラップは5弦ベースは難しいかもしれません。
弦と弦の幅が狭く、スラップで指を潜り込ませる際に違和感を感じるかもしれません。
また5弦のミュートはここでも必要なので、フォームが変わってしまいます。
・何処を弾いているか分からない
1本弦が増えると、脳が錯覚を起こして1~4弦も分かりにくくなります。
人間の脳は無意識に下の弦から数えてしまうようです。
これは5弦の開放がBである事を頭に叩き込む必要がありますね。
【総括】
「5弦ベースだけど、あまり5弦を弾く機会がない…」という場合もあるかもしれません。
しかし5弦を指置きに使ったり、弦と弦の幅が狭い事自体が、弾きやすさに繋がっているので、無理に使う必要自体はありません。
5弦ベースはネックが太く、強度を保つ為に金属をネックに仕込んだり、幾つかの木材を張り合わせている事もあります。
その為4弦ベースに比べると、全体的にタイトな音になりやすく、よりギターと音の棲み分けが出来ます。
特にボーカルのキーが低めのバンドはそれだけで5弦ベースを選ぶメリットになります。
ミュートや弾いている場所を覚える等は、練習で克服できる部分だと思います。
練習あるのみです。
最初から5弦ベースを購入すれば、4弦との比較も必要ないかもしれません。
レコーディングやライブでも5弦ベースを持つ事で、音のバリエーションは大きく広がります。
ぜひ購入を検討してみましょう。
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