こんにちわ。
日本でイベンターを職業にしていたクマ子と申します。
夏フェスを企画・運営したり、海外アーティストの招致などをしていました。
また、同時にバンドのマネージメントもしていたので、それはそれは毎日、目の回る忙しさでした。
現在は海外に移り住んでおり、わりとゆったりとした生活を送りつつも、今までの経験を生かして、こちらでコーディネーター業やケータリングのお手伝いをできればと思っています。
あなたがバンド活動を続けるのであれば、切っても切り離せないイベンター。
今回はそんなイベンターの視点から、売れているアーティストとはどんな存在なのかをお話させていただければと思います。
●記憶に残るアーティスト
イベンター業をやっていると、この世界には星の数ほどバンドが存在していることに気付きます。
私のデスクの上にも毎日、多くのアーティストの宣伝資料やサンプルCDが届いていました。
日々、異なるアーティストと仕事をしますし、マネージメント会社からも新人の情報が押し寄せます。
はっきり言って、全部を覚えているのは不可能なことです。
そんな日々においても、ずっと記憶に残るアーティストというものが2種類存在します。
それは、
・尊敬できるアーティスト
・そうではないアーティスト
です。
●売れているアーティストほど腰が低い
不思議なことに、イベンターからみて尊敬のできるアーティストは例外なく売れています。
または、固定のファンをしっかりと獲得し、長い期間、揺るぎなく活動している人たちです。
それでは尊敬できるとはどういうことでしょうか?
それはCDの販売枚数や、集客の多さではありません。
スタッフに尊敬されているアーティストとは、
きちんと周りに気を使う事ができ、誰もが彼の事を好きにならずにはいられない存在
ということです。
●自分の事を好きにさせてしまうカリスマティックな存在
これは私が新人の時の話になります。
イベンターは雑用周りから、買い出しまでなんでもやるからか、なぜか下に見られます。
その為に、無理な事をお願いされたり、イベントが終わっても挨拶もせずに去っていくアーティストが多くいました。
そんなある日、彼の事を知らない人は日本人はいない、というくらいの大物歌手のコンサートを担当しました。
長時間のライブを終え、くたくたになった彼が楽屋に戻ってきた時です。
何か言われるだろうと身構えていた私に、意外にも彼はとびきりの笑顔を向けてきました。
そして、
”今日のケータリングを仕切ってくれたのは、くま子さんですね。あなたのおかげで気持ちよくライブができました。ありがとうございます。”
と言ってくれたのです。
途端に私は彼が大好きになり、そして尊敬できるアーティストの一人になりました。
よく周りを見てみれば、彼のライブスタッフは誰もが楽しそうに働いています。
彼と一緒に仕事する事が、スタッフにとっても喜びになっているのです。
●スタッフが楽しんでいるライブはお客様も楽しい
スタッフにこう思わせるアーティストはとても売れる可能性が高いです。
なぜならば…
-理由1. 周りが応援してくれる
いくら仕事とはいえイベンターも人間です。
自分が好きなアーティストは自然と応援したくなります。
-理由2. 次回以降の活動に繋がる
そうなってくると、次回以降のイベントにもそのアーティストを呼ぶようになります。
また、イベンターは様々な業種やメディアと繋がりを持っており、そこでも彼の情報を共有するようになります。
-理由3. 最高の状態でライブできる
そんな彼のライブを開催する時は、最高のコンディションで迎えようと、スタッフがやる気に満ち溢れます。
そして、その活気は不思議とお客様にも伝わり、当日は素晴らしいライブを開催する事ができます。
●まとめ
以上のように、売れているアーティストとはスタッフにも尊敬されている人がほとんどです。
もちろん売れる為には、良い音楽を作り、演奏力を上げる必要があります。
しかし、”周りの人に愛されている“ということも必須条件のように思います。
誰もがカリスマティックな存在になることは難しいと思いますが、せめて挨拶、感謝だけは忘れないで活動していってください。
●余談
ちなみに、失礼なアーティストもしっかりと記憶に残り続けます。
そんな彼らとはもう仕事をしたくないと思うのも人間の心理なので、是非ご注意ください。
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