音に奥行きや臨場感を生み出すエフェクター、それがディレイです。
ギターソロに厚みを持たせたり、使い方は千差万別。
勿論ディレイも様々な製品が発売されていますが、今回はFREE THE TONEが生産したディレイ、FLIGHT TIMEについて紹介します。
【FREE THE TONEというメーカーについて】
FREE THE TONEは2002年に日本で立ち上げられたブランドです。
エフェクターだけでなく、ケーブル、ボードも総じて評価が高いです。
今までも
●イコライザーのFree The Tone PA-1Q
●コーラスのFREE THE TONE TRI AVATAR TA-1H
等を紹介しました。
Free The Tone PA-1Qの記事はこちら↓↓↓
FREE THE TONE TRI AVATAR TA-1Hの記事はこちら↓↓↓
ちなみにFLIGHT TIME FT-2Yの愛用者ですが、
ギタリストだと、
BUMP OF CHICKEN 増川弘明
GLAY TAKURO
L’Arc~en~Ciel KEN
MAN WITH A MISSION Jean-Ken Johnny
THE BACK HORN 菅原英純
くるりの岸田繁 等
ベーシストだと、
ストレイテナーの日向秀和 等
本当に多くのアーティストが使用しています。
【FREE THE TONE FLIGHT TIME FT-2Yとは】
一言で言えば多機能で高音質なデジタルディレイです。
全ての操作をツマミではなく、ボタンを押して数値化して音作りを行います。
直感で操作出来ない分、
「自分はこんな音を出したい」
「この設定で、このような音が出る」
等、ある程度の知識が必要になります。
最初からFLIGHT TIME FT-2Yを購入するのでなく、まずは直感で操作出来るコンパクトエフェクターのディレイを購入した方が良いでしょう。
逆に言えばFLIGHT TIME FT-2Yを使いこなせれば、音作りの知識は飛躍的に向上します。
ちなみにその多機能さ故に値段は46200円(税込)と手軽に手を出せるものではありません。
その点だけ注意が必要ですね。
また音はデジタルなだけあり、ディレイとして検出される音はとてもクリアです。
【FLIGHT TIME FT-2Yで設定出来るもの】
・遅延する時間
・テンポ
・ディレイの音符
・ディレイ音の音量
・フィードバック(余韻の長さ・量) 等
これらは通常のコンパクトエフェクターでも設定出来る部分ですが、FLIGHT TIME FT-2Yは更に設定出来る事があります。
・ディレイの音色
コーラスを付加したような揺らぎや、アナログディレイのような温かみのあるディレイ等、様々な音色が搭載されています。
・TRAIL
プリセットを切り替えた時や、ディレイ音をオフにした時にその音を残すかどうかを切り替えの際に急に音がブツ切りになると違和感が出る為、ディレイ音を残せるのはありがたいですね。
・REC&REPEAT
演奏を録音してリピートする機能です。
従来のディレイと大きく異なるのは、
●リアルタイムBPMアナライザー機能
●ディレイタイム・オフセット機能
でしょう。
・リアルタイムBPMアナライザー機能
タップテンポを使用した際に、演奏をリアルタイムで分析し±20%の範囲で自動でBPMを調整する機能です。
人間が奏でるリズムは途中でもたついたり、走る事は良くあります。
それらを感知して最適な調整にしてくれるのはとても心強い機能です。
ただし、調整可能なのは±20%の範囲です。
例えばBPM100で設定したにもかかわらずBPM120以上の速度になると対応は出来ません。
曲の途中で大きくテンポが変わる場合はプリセットそのものを変更する必要があります。
後は変拍子を取り入れた複雑な楽曲、オーケストラ等沢山の音が入る場合は対応しきれません。
・ディレイタイム・オフセット機能
こちらはBPMと少しズラしたディレイをあえて設定する機能です。
疾走感を出す為にBPMを早く設定する、タメている感じを出す為にBPMを遅く設定する等、使い方は様々です。
・プリセットの数は99!
コンパクトタイプのエフェクターだと設定出来るのは1種類ですし、ツマミの微妙なズレ等で音が変わる事があります。
FLIGHT TIME FT-2Yは各設定を保存出来るのですが、その数はなんと90。
それに既存のプリセットが9種類があり、99種類の音を設定出来ます。
同じくプリセット機能があるディレイとして、BOSS DD-20がありますが、こちらはプリセットは4つです。
4つでも重宝しますが、曲中でAメロやサビで音色を変更したい場合は4つでは足りない可能性もあります。
流石に99あれば足らない事はないでしょう。
これらのプリセットの切り替えは外部機器からMIDI信号で呼び出す事が出来るので、FLIGHT TIME FT-2Yの細かいスイッチを演奏中に踏む必要はありません。
【実はFREE THE TONEのディレイは沢山の製品がある】
実はFREE THE TONEからは3種類程ディレイが生産されており、販売中止になっているものもあります。
・FLIGHT TIME FT-1Y
初代という事で現在は生産中止です。
・FLIGHT TIME FT-2Y
FT-1Y後続機種になり、2017年5月に発売されました。
今回紹介したものです。
・FUTURE FACTORY FF-1Y
2019年2月に発売しています。
FUTURE FACTORYはエフェクター内に2台のディレイが備わっています。
それを直列に繋いだり、並列にする、片方のみ出力する等して様々なディレイを生み出します。
更にモジュレーション機能がパワーアップし、FLIGHT TIME FT-2Yでは出せない歪み等も作り出せます。
一見するとUTURE FACTORY FF-1Yの方が上位互換にも思えますが、こちらにはリアルタイムBPMアナライザー機能は備わっていません。
つまり
FLIGHT TIME FT-2Yは演奏に特化したもの
FUTURE FACTORYは音作りに特化したもの
という差別化がなされています。
どちらを選ぶかは演者次第ですね。
【まとめ】
今回は多機能なデジタルディレイ FLIGHT TIME FT-2Yについて紹介しました。
値段は高価ではあるものの、その分自由度の高さは他のエフェクターの比ではありません。
FREE THE TONEは他にも様々な高品質なエフェクターを製作しているので、それらにも注目してくださいね。
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