「ピアノの音」は私達の身近な色んなところにあふれています。
ピアノと言えば白の鍵盤と黒の鍵盤が並んでいますよね?
みなさんはピアノの鍵盤の数が全部でいくつあるかご存知でしょうか?
実は88個も鍵盤があるんです。
ピアノはマルチな楽器で、1人で演奏する独奏から、オーケストラと一緒に演奏することや、バンドの編成に入っていることもあったり、色々なシーンで活躍しています。
アマチュアのバンドだと、ピアノに関して以下のような事が時々あるのではないでしょうか?
・コピー元の曲にピアノがあるからピアノ経験者に楽譜を渡してサポートのお願いをする
・ピアノ弾きがいない場合、楽譜通りの打ち込みを作って流しながらライブをする
・オリジナルバンドが自分たちの音源を作る時に、世界観を広げるためにピアノのトラックを追加する
このような場面を筆者も多々見かけてきました。
ただし、バンドサウンドにピアノの音を足す時には、ピアノの特性上気を付けなければならない事があります。
今回の記事では、その注意事項について、ピアノの特性とバンドの特性から解説していきたいと思います。
1.録音時やライブ等のピアノの音色とEQについて
バンドでピアノの音を使用する場合、ピアノにマイクを立てたり、電子ピアノやキーボードのピアノ音を使用します。
どれも電気が通った「デジタル」になりますよね?
ここでギターのクリーントーンを出す場面を思い浮かべて下さい。
ギターのからアンプへ直結し、「デジタル」になったとしても、調整を行う場合がほとんどです。
エレアコでもイコライザーをいじって音色を整える方が多いかと思います。
ピアノも同じく、EQを調整することで、より一層ピアノらしい音であったり、耳触りが良い音を作り上げることができます。
200Hz~400Hzあたりがピアノの「丸み・反響っぽいこもり」を変更できます。
クラシックの独奏で幻想的な曲を弾くのであればそのまま残しておいても良いですが、バンドの「スッキリした音」を目指すのであれば、この帯域を下げると良いでしょう。
また、キンキンな音でない場合、2kHz~4kHzを持ち上げると、「きらびやかさ」が増します。
この2つの処理で「前に出る綺麗でスマートな音」に変化します。
かなり音色が変化しますので、これをリアルタイムでの変化を聴いてもらうと、ピアノを弾く人も、バンドのメンバーもびっくりします。
ギター初心者が歪みの調整で「ここまで変わるのか!」というのを発見した時と同じ顔になる、といったところでしょうか(笑)
ちなみにここから「迫力」が欲しい場合はこれから100Hz~200Hzをちょっと持ち上げると力強さが増します。
どういう音色が欲しいか、曲のイメージに合うのどんな音なのかをバンドとピアノで実験しながら話し合うことをおすすめします。
2.ピアノの音域について
ピアノは88鍵盤あり、1オクターブの間に12鍵あります。
そこから逆算すると、7オクターブちょっとの音域があることが分かりますよね。
音域が広いギターでさえ4オクターブということを考えると、いかに低音から高音まで幅があるか、驚かされます。
実はギターの音域をすべてカバーしており、なおかつベースの音域まで含まれています。
そのため、バンドの音域全てをカバーできてしまうのが、ピアノの特徴でもあります。
3.各楽器との周波数帯の兼ね合いについて
ピアノはその音域の広さ故に、各楽器と「喧嘩」してしまう場合が多々あります。
「同じ音域を演奏する」と言うと、なんとなくイメージがわくのではないでしょうか?
歪んだギターには中音を食われやすく、また、左手で低音をガッツリ使いたいピアノ弾きだと、ベースとの相性も悪かったりします。
ピアノの音が目立つ曲を色々聞くと分かるのですが、ほとんどの場合、ピアノの音色の通り道をギターが作っています。
ですので、ギターはギャンギャンにコードを弾くのではなく、押さえた音色であったり、ピアノの目立つ音域を避けたバッキングを作成してみましょう。
ベースも、ピアノの左手が何をやっているのかを各所で把握しておくと良いですね。
また、ピアノ弾きも、自身が前に出る箇所、ギターが前に出る場所、ボーカルの歌い方などを把握しながら弾く必要があります。
4.終わりに
ピアノ弾きは独奏する機会が最も多く、また、「その場に置いてあるピアノを使う」という思考が強く、周りの音に合わせて音色を変えるという概念はあまりありません。
また、バンドマンもピアノについては音色やヌケに関して意識をする機会があまりないかと思います。
しかし、ピアノの音色においても、ギターの音作りと同じくしっかりと作りこんで、なおかつバンドサウンドとの融合性を高めたら曲が一気にカッコ良くなります。
今後ピアノの音を入れることがあるバンドの方にとって、この記事が参考になり、良い楽曲に仕上げるヒントになれば幸いです。
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