前回の記事でコーラスの必要性や、種類について説明しましたが、練習方法が分からない人も多いでしょう。
今回の記事では練習方法について、考えていきたいと思います。
【楽曲内でコーラスを入れる場所を考える】
メンバー間で、その曲にコーラスが必要かを検討しましょう。
そしてどの部分にどのコーラスを導入するかを考えましょう。
サビの最初から最後までずっとハモリをいれていく。
曲によっては良いアレンジかもしれませんが、大抵の場合は要所要所でハモリをいれる方が効果的です。
サビの印象を与えたいフレーズでハモる、最後の大サビでウーアーコーラスを入れる等、さりげなくコーラスを入れていきましょう。
コーラスとして最も機会が多いのは、恐らくハモリでしょう。
全員がコーラスに加わるのは圧巻です。
しかし、メインメロディーの3度上と3度下の両方でハモると、音楽理論上、ハモリパートが協調されてしまい、メインメロディーがかき消されてしまいます。
どうしても3度上と3度下でのハモリを加えたい場合は、コーラスパートの声量を小さくする、4人編成のバンドなら、残った一人がメインメロディーとユニゾンで歌う等の工夫が必要になります。
コーラスは自由度が高い代わりに、曲の印象を大きく変えてしまうので、慎重に考えていく必要があります。
【コーラスの練習の順番】
コーラスをするに辺り、徐々に難易度を上げて練習するのが効果的ですよ。
①コーラスパートの音程を把握する。
前回の記事でも書きましたが、まずはメインメロディーをピアノでなぞってみましょう。
もし長3度上のハモリをするなら、その音程の2つ先のスケールを選んで、再度メロディーをなぞってみましょう。
それがコーラスパートになりますね。
まずはそのコーラスパートを録音するなり、自分でピアノで弾くなりして、徹底的に頭に叩き込みます。
②楽器を持たずにコーラスパートだけ歌う。
音程を覚えたら、その音程で歌う練習です。
コーラスパートはメインボーカルよりもピッチの正確さが求められます。
ハーモニーとしてコード感をだす必要があるので、ピッチがズレていると、メロディーが濁って聴こえます。
特に3度上のコーラス等、音程が高い場合にビブラート等で声を出そうとすると、ピッチがズレてしまうので、注意が必要です。
声は感情を出しすぎず、あくまで正確な音程で歌う事を優先しましょう。
③ボーカルとコーラスだけで練習する。
慣れてくればボーカルとコーラスで、アカペラで練習です。
楽器の伴奏がない状態でコーラスとメロディーが合っているか確認をしましょう。
よくあるのが、最初のコーラスのメロディーは合っていても、気が付けばメインボーカルにつられてしまい、最終的にメインメロディーと同じ音程になる事です。
これはもうコーラスパートがつられないよう、慣れるしかないですね。
最終手段として、耳栓がありますが、ライブでは他のパートが聴こえなくなるので、諸刃の剣ですね。
④楽器を弾きながらコーラスをする
アカペラで慣れてくれば、自身の楽器で演奏しながら、コーラスをしてみます。
恐らくここで難易度は跳ね上がります。
何度も練習をしていれば、楽器か歌のどちらかが無意識に出来るようになります。
その段階に達すれば、④はクリア出来るでしょう。
あまりにも大変なら、無理をする必要はありません。
例えば、コーラスは表拍から入るが、楽器は裏拍から入る等、発声と演奏部分が微妙にずれている場合は大変です。
またあまりにも楽器のフレーズが難しい場合は、各パートと相談して、他のパートにお願いする、自身のパートを簡略化するのも1つです。
⑤バンドで合わせてみる
アカペラが慣れてくれば、いよいよバンド演奏中にコーラスをしてみましょう。
①~④まで達成しても、ここで新たな問題に直面する場合があります。
これらはコーラスの技量よりも、音楽理論的な話になります。
例えばメインメロディーが曲のコードに対してテンション音を使用していたり、コードがsus4を使用していると3度上でのコーラスに違和感を感じる事があります。
その場合はコーラスを4度や6度で行う人もいます。
全て変更するのは大変ですし、部分的な修正で済むなら、その部分のみ度数を変更してコーラスの練習を再度行います。
大幅な変更の場合は①に戻ってしまいますが…
・余談ですが、もしコピーバンドのコーラスの場合は、カラオケのDAMの精密採点で練習する方法もあります。
※あまりにもマイナーな曲はないかもしれません。
精密採点だと、音程やリズム、歌いだしや歌詞も全て表示されます。
視覚で分かると、修正もしやすいですね。
【必ず録音して確認を】
コーラス練習は必ず録音して、聴き返す事が重要です。
自分の耳だけでは、音程がズレている事に案外気づきません。
録音する事で、客観的に音程のズレに気付く事が出来ます。
聴いてみると、合っている部分もあれば、間違えている部分もあるので、間違えている部分だけ練習すれば、コーラス完成の近道になりますね。
おわりに
いかがでしょうか。
コーラスの練習はついついおざなりになりがちですが、とても精密で奥が深いものです。
ライブやレコーディングのかなり前から練習をしておく事をお勧めします。
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