こんにちは!
サウンドデザイナーの太田です!
私は19歳の頃から講師業もしていて、多い時は年間1500レッスン以上をこなしていました。
レッスン数が多い事もあって、色々な生徒さんの悩みや、質問を聞いています。
「なんか最近上達しない」
「ボイトレしてあるけど、ここが限界ですか?」
「高音域ってどこまで出せんるですか?」
「本当にプロみたいに歌えるの?」
など思った事はありませんか?
私の生徒さんにはざっくりと答えて、レッスンをしているのですが、ちょっと見方を変えて、”自分でも出来るボイトレ方法“をお教えしたいと思います。
・発声の質を上げると言う事
まずは発声の質についてお話ししていきます。
発声の最終目標は、
“低音域から高音域までスムーズに移行し、どの音域でも声量のコントロールが可能で、かつ楽に声を出す事”
だと考えています。
質だけの話でしたら、”グレゴリオや、クラシック等の楽曲が最もテクニックに依存していて“、その他の音楽における発声と言うのは、テクニカルではない場合もあります。
例を上げるなら、ポップスを歌うアーティストが、”テクニックを身に付けた後に、崩すのか“、”そもそも崩れているのか“の違いが分かり易いかと思います。
発声の質をチェックするポイントとしては、クラシック等の楽曲の様な声で歌う事が出来るかと置き換える事も可能です。
発声の質と音楽的なスタイルは必ずしも一致しないと言う事を覚えておいて下さい。
・原因を探る!
さて、まずは原因を探ります。
よくある原因と、チェック方法を挙げてみます。
低音域から、高音域へ上がってみてください。
ドレミファソラシド〜等のスケールで問題ありません。
次に高音域から低音域へ下がってみて下さい。
A スムーズに高音域へ移行出来る。
B 裏声を使っても高音域が出ない
C 音色の変化を伴うが、裏声を使えば高音域が出る(ヘッドボイスに変化する場合も同じ)。
D 高音域への移行は出来るが、力が入ってしまい、苦しくなる。
E 裏声から地声へ変化する。
F 喉が痛くなる。
G 声がかすれている。
自分がどのタイプか覚えておいて下さい!
・本当に発声が原因?!
思い込み
歌が上手くならないと思い込んでしまうと、本当に上手くならないです。
私の生徒さんにも、そこで諦めそうになる人が結構います。
モチベーションを保つ為にも、しっかりとした目標を持ちましょう!
スタイル
歌が上手く聞こえない原因の一つに、スタイルの違いがあります。
例えば、ポップアーティストが、演歌を歌っても雰囲気が出ないと言った感じです。
アメリカでは、ボイストレーナーとスタイルティーチャーという具合に分かれている事があるのですが、ボイストレーニングが上手く行っていても、スタイルにコミットする必要があります。
・自分に合った練習方法は?
A
スムーズに移行出来る方は、おそらく発声のバランスは悪くないと思います。
ですので、より複雑なメロディーラインやスケール、タイム感や、より発展したテクニックの習得をしましょう。
より発展したテクニックとは、例えば地声の様な音色のまま高音域へ上がったり、音色のコントロール、音量のコントロールです。
特に、音色のコントロールはプロでも難しい為、その場で練習して、レコーディングでは何度も録り直したりするくらいです。
B〜E
この3つのどれかに当てはまる方は、裏声の強化をしましょう。
裏声の強化と言うのは、芯のある裏声を作ると言う作業です。
おそらく、声帯の閉鎖が弱いか、輪状甲状筋が未発達ないしは、使い方を知らないケースが多いと思われます。
簡単な方法としては常に裏声で歌う様にしてみてください。
F
このケースは声門下圧と言って、空気を出し過ぎることによって、声帯が閉まろうとし、その結果摩擦が生じているか、咽頭に負担がある状態と思われます。
少し息漏れさせる様に、小さい声で歌う練習をしてみて下さい。
G
かすれている場合は声帯結節と言う病気の可能性があります。
まずは病院で診てもらいましょう。
問題がなければ、Fと同じ練習をしてみて下さい。
・目標設定のしかた
ただ無闇に練習しても、遠回りになったりする場合があるので、しっかりと目標設定をしましょう。
目標を決める際には、少し頑張れば出来るところに設定しましょう。
今の実力とは程遠い所に目標設定してしまうと、ネガティブなループにハマる事が多々あります。
・たった1日10分!騙されたと思って、2週間だけやってみよう!
“練習方法”.
自分に合った練習方法をしっかりと把握しましょう。
1週間に一度はアセスメント(声の評価)をして、今の状態を把握して、それから練習を始める様にして下さい。
ただ好きな曲を歌い続ける様な練習は避けましょう。
“録音する”.
練習する際には必ず録音するようにして、それを聞き返して下さい。
練習時は「録音する、聞く」を繰り返しましょう。
その際、他の人の歌を聴いている様な感覚で聴いてみてください。
そうする事でアセスメントの精度も上がります。
“休憩を多めに”
以前書いた、発声の仕組みに関する記事でも触れていますが、声帯周辺には痛みを感じる器官がありません。
つまり脳へ疲労を伝える事もできない為、気づいた時には手遅れです。
そうなる前に休憩を取りましょう。
今回は1日10分なので、“3分程度の練習、1分程度の休憩”を3セットぐらいに設定しておくと、だいたい10分ぐらいになります。
・最後に
ボイトレは非常に重要だと考えていますが、あくまで音楽の為にやると言う事を忘れないで下さい!
他の楽器でもそうですが、テクニックを見せるだけが音楽では無いので、「練習しました!」って感じの歌にならない為にも、常にアーティストでいて下さい!
では、またお会いしましょう!!
“プロフィール”
太田好泰
ミュージックインストラクター、作編曲、レコーディングエンジニアから、マスタリングエンジニアまでマルチに活動。
また、電子工学の知識を生かし、エフェクター等、電子楽器の回路設計、修理も担当。
プロデューサーとしての依頼があった事をきっかけに、肩書きをサウンドデザイナーに変更。
現在、若い世代の育成を目指しながら音楽活動をしている。
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