プロの音楽家の哲学から生まれた言葉

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人生で衝撃を受けた言葉。

生きていれば、自分の心の奥底に深く届く言葉に出会う事が必ずあります。

筆者は周りにプロの演奏家が沢山いるのが当たり前という少し特殊な環境で育ちました。

音楽で飯を食べている人たちの言葉。

音楽に対する、また人生に対する哲学がこもっており、感銘を受けて私の人生に大きな影響を与えたものが多々あります。

私の周りのプロが言った言葉で、特に心に響いたものをご紹介させていただきます。

少しでも皆様にとってプラスになれば幸いです。

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1.音楽屋じゃなくて音楽家

当時中学生だった私は、老人ホームの慰問演奏の即席バンドの手伝いをしていました。

スポットライトもなければ、専用の音響もない、屋内の広場での演奏。

お年寄りの方々が青春時代に聴いていたであろう音楽がどんどん演奏されていきます。

若かった頃の出来事が脳裏をかけめぐっているのでしょうか、じっと目をつぶって聴かれている方もいらっしゃいました。

一通り演奏が終わって、お年寄りの代表のおじいさんがマイクを渡されてお礼の挨拶をしていたのですが、その話の中で、

「わしが若かった頃に好きだった歌にこんなものがあってのう・・・」

と言って歌い出しました。

本来ならじっと聴くところだと思いますが、なんと即興で楽器隊が伴奏をつけてバックバンドありの歌になったんです。

会場の雰囲気が驚きに包まれたのを肌で感じました。

歌い終わった後、今までとは全然違う音量の拍手が沸き起こり、さらにおじいさんは驚きと感動で涙を流しています。

「ありがとう、ありがとう・・・・」

この演奏はおじいさんの一生の思い出になったんだと感じました。

撤収の手伝いをしている時に、ふとバンドの方にその曲を知っていたのか聞いてみたのですが、知らないとの事。

「あの時代の音楽のコード進行は大体こうなるってのが分かってるんだ。

それに、臨機応変に対応できるのが実力ってもんだしね。

僕は音楽屋じゃなくて音楽家だからね。

人の魂の根底に刻み込む音楽を奏でることができる、それが音楽家なのだと感動したのを覚えています。

今でも私はステージに上がる時、「一人のお客さんが感動してずっと覚えていてくれる演奏ができたら成功だ」と思っています。

2.音楽と時代の表裏一体性

キリスト教の讃美歌は美しく、軍歌は勇ましい。

誰もが右へならえ主義の日本の古来の演奏はみんなで旋律を演奏する。

私が音楽の勉強をしていて音楽史はなんの意味があるんだと愚痴をこぼした時に教えてもらった言葉です。

時代背景と共に音楽史を勉強すると見えてくるものがある、と言われました。

自分の考えや生き方に呼応する音楽を人は本能として求めているのかもしれません。

こういうファッションの人ってこういう音楽が好きだよね、というような傾向がなんとなく分かる時があります。

もし、トップアーティストを目指すバンドマンの方がこの記事を見ていたら、「これからの時代はこうなっていくべきだ」という熱いものを曲に込めて欲しいなと私は勝手に思っています。

成功したら下手な政治家よりも時代を動かす原動力になるのかもしれません。

3.戻らない音

趣味ではなく仕事の場合、納品したものがたったネジ一本足りなくてもその商品は不良品になってしまいます。

私は学生時代、プロに師事してレッスンを受けていたのですが、ワンミスで最初からやり直しという中々厳しい内容でした。

その先生からこんなことを言われました。

「音楽は一度出した音は戻ってこない。一度舞台に立ったら客は音でしか判断してくれない。どんなに言い訳してもその音を出したことに変わりは無い」

当時はここまでやる必要があるのかと思っていましたが、社会人になってその意味が痛いほど実感できました。

先生は私の音に対する甘さを見抜いていたんだと思いますし、先生もプロとしてミスが許されない修羅場を沢山くぐってきたからこそ出た言葉だと思います。

第一線で活躍するプロのレッスンの内容は今でも色んな場面でよみがえってきます。

4.100の力と10の力

「100の力を持っている者が100の力で演奏しても感動は生まれない。10しかない力の者が血を吐くような努力をして本番に12や13の力が出るから感動が伝わるんだ」

上記の私が師事していたプロの先生がアマチュアの楽団を指導していた時に言われた内容です。

例えば野球の場合、プロ野球選手の技術は素晴らしく、観戦はとても楽しいですが、甲子園の場合はどうでしょう。

明らかにプロより力は落ちますが、死にもの狂いでボールを追いかける気迫や最後の最後まで絶対あきらめずに闘う姿勢が見る人に感動を与え、涙を流させることが多々あります。

音楽でも、アマチュアだからこそ失敗を恐れず挑戦できること、また別の仕事のプロでの経験があるからこそ思いつく発想や技術というものがあるかと思います。

今、自分たちが置かれている環境で悲観することなく精一杯良いものを作りあげようとする、その姿勢が成功を呼ぶのではないでしょうか。

5.終わりに

いかがだったでしょうか。

筆者自身は売れるとか音楽を仕事にするということに興味が無かったので別の道を進みながら趣味でバンド等の音楽活動を続けています。

ただのアマチュアですが、音楽を通じて色々な方と出会うことが出来、人生に大きなプラスの影響を頂きました。

プロの言葉以外にも、「癌と診断された知人が音楽の原動力で病と闘った話」など、まだまだ紹介したいものは沢山あるのですが、結局は「音楽は偉大だ」というところに帰結しますので、この辺で失礼いたします。

もし今回の紹介した言葉が、音楽活動をされている読者の方にとって少しでも前に進める力となれば幸いです。

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