ストリートミュージシャン御用達の打楽器の一つ、カホン。
実はカホンは録音したり、ライヴにおいてマイクで拾ったりするには難しい楽器と言われています。
今回はカホンの音を上手に拾うコツをご紹介します。
カホンとは?
「箱ドラム」という愛称で呼ばれる事もある、文字通り箱型の楽器です。
ルーツは南米の民族楽器ですが、近年は日本でもブームになりました。
ストリートミュージシャンだけでなく、バンドがアコースティックセットで演奏する際にも、ボンゴやジャンベといった一般的な打楽器ではなく、カホンを選択するドラマーも増えています。
特徴としては叩く場所によってバスドラのような低音とスネアのような抜ける音、さらにハイハットを刻んでいるような高音も出せるという汎用性の高さにあります。
しかし、この汎用性の高さが音を拾う際のデリケートさにつながっています。
高音を強調しようとすれば低音の良さが失われ、低音を強調しようとすれば高音を犠牲にせざるを得ません。
また、カホンはサウンドホールと呼ばれる背面、もしくは側面の穴から音が出ますが、正面の打面からもかなり大きな音が出るため、どこにマイクを立てるべきか、判断が難しいのです。
マイクの種類
まずはマイク選びから始めましょう。
ドラムに限らず、楽器用マイクの定番中の定番である、SHURE SM57がおすすめです。
その他にもドラム用のマイクなどでもいいですし、ボーカルマイクでもOKです。
ただ、あまりに安価なマイクは、そもそもきちんと音を拾ってくれませんから、最低でも5000円クラスのマイクを用意したいところです。
サウンドホールにマイクを向ける
一般的なのがサウンドホールにマイクを向ける方法です。
欠点として、低音が強調されすぎてしまう傾向があることと、サウンドホールから出てくる風圧をマイクが拾ってしまう可能性がある事です。
最適なマイクのポジションを発見するために微調整を繰り返す必要があります。
また、接続しているミキサーなどのイコライザーを調節し、良いバランスを見つけましょう。
打面にマイクを向ける
意外にやりやすいのが打面にマイクを向けるセッティングです。
叩く手が当たらない程度に離し、打面の真ん中にマイクを向けると、低音と高音をバランス良く拾ってくれます。
欠点としては打面からマイクがやや遠いため、入力レベルを上げなければいけない点が上げられます。
また、前面にマイクが置かれるため、見栄えという点でもごちゃついて見えてしまいます。
しかし、サウンドホールよりも素直に音を拾ってくれますので、マイクの細かい調整の方法がわからない方はこのセッティングが一番です。
マイクスタンドは通常はスピーチの際に演台の上に置かれることがある、短いものがおすすめです。
カホン専用マイクを装着
一番のおすすめは、カホン専用マイクを使う事です。
おすすめはCHAANYの「cuerno/クエルノ」です。
サウンドホールにはめ込むタイプのこのマイクは、手作りにこだわる日本のカホンメーカーによって製作されており、カホンの音を知り尽くした職人が試行錯誤の上に作り上げた傑作です。
マイクがサウンドホールの中に向けられているため、余計な音は一切拾わず、ハウリングの心配もありません。
38500円(税込)とやや高価ですが、値段に見合ったクオリティです。(サウンドホールの形状によっては合わないことがありますのでご注意ください)
その他にも内部に装着するタイプのマイクもあります。
まとめ
カホンの音の拾い方
1、楽器用、ボーカル用マイクを使う。
・サウンドホールに向ける
・打面に向ける
2、カホン専用マイクを使う
いかがでしたでしょうか? 家庭に置いておけば椅子の代わりやディスプレイにもなる楽器、カホン。
そのままの音でも十分に楽しめますが、もしライヴや録音で使用する場合は、ぜひこれら方法を試してみてください。
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