急のアクシデントによるネック折れ…
ギタリスト、ベーシストにとってこれほど恐ろしいものはないでしょう。
かくいう私も以前満員電車で妙な圧がかかってしまった際にネックがボキっと折れてしまったことがあります。
今回は自力によるネック折れの修理について解説します!
1. 一番の解決策はリペアショップ!
ネック折れを防止するために日頃からメンテを行ったりネック反りをこまめに直したり、保管時に弦を緩めておくことがまず前提として大事であることは言うまでもありません。
その上でどうしても避けられないネック折れが起きた際、真っ先に行うべきはリペアショップに駆け込むことです。
大事な竿本体に関わることはプロに委託するのが一番。
ですがやはりリペアショップに頼むとそれ相応の値段がとられてしまいます。
相場として、きちんとしたショップに頼むと平均で5~6万円はかかってしまいます。
愛機や、ヴィンテージやハイエンドベース、ギターの場合この値段を払ってでもリペアショップに頼んだ方がよいでしょう。
・自力リペアは最終手段
ネック折れのリペアの工賃、前述したように中々な金額がかかってしまうことが常です。
廉価な竿であったりすると下手をすればリペア工賃の方が高くなってしまうこともざらです。
加えて金欠に悩まされがちなバンドマン、学生にとってこの出費は痛いはず…。
その際に自力で治せるならば直してしまおう!
というのが今回の記事の趣旨になります。
ですので、決して自力のリペアを推奨する記事ではないことを事前にご了承ください!
2.自分でできるリペア手順!
ではここからは具体的なリペア手順の解説です。
まずは必要な工具等を解説していきます!
・用意するべきもの
まず最低でも用意せねばならないものを挙げます。
一つ目はタイトボンド。
これは折れたネックを接着する際に使います。
次にクランプ。
これはネックが挟める厚さのものであればどんなものでも構いません!
最低用意せねばならないのはこの二つの工具です!
これに加えてタオルや彫刻刀、ネック素材として使える固い木材の端材があると尚クオリティの高いリペアが可能です!
・まずは状態を確認!折れたらすぐにリペアを開始がベスト!
ではここからは工程の解説になります。
全工程合わせて約2日かかると考えていてください。
まずは折れた直後にやるべきこと。
これは状態の確認です。
どういった折れ方をしたのかを把握しましょう。
ネックとヘッド間のナット部分で剥離する形でネック折れしているパターンが多いと思います。
この場合は自力でも修復が可能です。
しかしそれ以外に、ネックに対して垂直に真二つに折れた場合や砕ける形で折れている場合(上記画像参照)は自力での修復が困難になります。
この場合、新規のネックを買いなおすことも視野に入れたほうがリペアの費用が安く抑えられることもあるので状況を見極めることが必要です。
今回は剥離した場合での解説をしていきます。
・ネック折れの強い味方、タイトボンド!
状況を把握したらすぐに接着を始めることがベストです。
というものの、木材はわずかな湿気でも膨らんだり縮んだりなど変化します。
折れた部分の木材にこのような変化が生まれてしまうと密に接着できず強度がもろくなってしまうのです。
そのため迅速な接着がベストです。
接着に使うのが先ほど用意したタイトボンド!
あまりなじみのないものだと思いますがアメリカのフランクリン社の生産しているボンドで、プロも同様のものをリペアに用います。
速乾性と硬化力に定評があり、硬化後の木材はやすりで削れるなどのメリットがあります。
ネックリペアにはもってこいの接着剤だといえるでしょう。
タイトボンドを両ネックの接着面に満遍なく塗布します。
両材に塗ったのちすぐには貼り合わせずに10分弱放置しておきます。
こうすることで接着した後の強度を上げることが出来ます。
10分放置した後はすぐに接着作業に移ります。
・要は圧着
10分放置した後、両材を貼り合わせます。
この際に最もポイントとなるのが圧着です。
タイトボンドは接着面にクランプなどで圧力を加えることで圧着をした際に強固な仕上がりを実現するという特性があります。
接着面を貼り合わせた後にクランプでネックを挟みましょう。
この際出来る限りネックが斜めになったりなどずれないように固定しておくことが重要です。
極端に湿度変化のない室内でこのまま最低24時間放置しましょう。
・追加で補強も可能!
これで基本的なリペアは終了です!
24時間後にクランプを外すとがっちりと接着されたネックが仕上がっているはずです!
ただ、これではまだ強度に不安が残るという方がいるかもしれません。
そのような方には補強材の埋め込みをおすすめします!
少々工具と技術がいるのですが、折れた部分の接着面に彫刻刀などで凹面を作りその凹面に合ったように凸型の補強材を削り出し、凸面と凹面をタイトボンドで接着します。
こうすることでネックの強度をかなりあげる事が可能です!
おわりに
いかがでしたでしょうか?
最初にも述べましたがベストはリペアショップへの持ち込みです。
ですが自力でリペアしたい方にこの記事がお役に立てれば幸いです!
自力リペアは愛着も湧きます。
おすすめはしませんが、トライする方はぜひ参考にしてみてください!
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