こんにちは!
サウンドデザイナーの太田です!
これからプロとして活動して行きたい方々にとって、チャンスもあるのですが、落とし穴もあります。
そこで、落とし穴にハマらない為の注意喚起をするべきだと思い、ハマらない、騙されない為にどの様な点に注意すべきか、お話しして行こうと思います。
特に今はコロナ騒動もあるので、こう言う時は特に注意が必要です。
・音楽業界の現状
大体の場合、事務所が仕事を取ってきて、アーティストに振ると言うのが基本です。
レーベルと提携をしての音源リリースや、イベント、メディア出演等もこれに当たります。
この様な仕事は、アーティストが様々な形でパフォーマンスをして、その収益からパーセント振り分けされたりします。
(報酬に関しては、契約や、雇用形態によります。)
2020年7月、現在はライブの延期や、レコーディングの延期等の影響で、音楽業界はかなりのダメージを受けています。
例えば、イベントの為に会場を押さえたり、設営等の外部発注をしていたのにキャンセルせざるを得なくなり、キャンセル料金を支払う場合、事業収支は完全なマイナスとなります。
・マネジメント事務所や、企業の収益確保
最近では自粛ムードもあり、芸能人がYouTubeで配信しているケースを多く目にするかと思います。
既に知名度のある方は、それで稼げるかもしれませんが、会社側の収益はほとんどありません。
そもそも、マネジメント契約を終結した場合、事務所サイドは仲介業的な役割です。
企業や、メディア等への営業をしたり、仕事を斡旋し、そこから報酬を得ています。
さらに事務所には数人〜多いところでは数百名のスタッフが働いている事が多いのですが、その分の給料も捻出しなければなりません。
・サイトを見ると
とは言え、大手事務所は新しいアーティストの発掘はしていますし、今後を見据えた動きをとっています。
中小でも同じ事が言えますが、「そこまで資金が持つかどうか」が大きな分かれ道となります。
そこで、YouTubeやSNS等での新人発掘や、オーディションを行っているわけですが、注意しなければならないのが、現状を打破する為の資金繰りに使われていないかどうかと言う点です。
小規模な会社が、(たまに大手でもありますが)よくあるやり方は、オーディションをして、通過したらレッスン料を請求するやり方です。
実は今この手のやり方がとても増えていて、ネット広告ですら目にする様になって来ています。
実際にその会社の方と飲む機会があったのですが、オーディションと言う言葉を使うと、あたかもプロデビュー出来るような感じがして、宣伝効果が高いと話していました。
つまり、資金繰りの一つとして、オーディションという名目を使い、レッスン料金を支払ってもらうという事例が存在するのも事実です。
・オーディションという罠
以前ある人から、前項で話した様なやり方で、レッスン料を払ってしまい、全然デビュー出来ないからなんとかしてくれないかと相談を受けた事があります。
契約書類を見せて頂いたのですが、包括的な文書で、マネジメントや業務内容といった記述は見受けられませんでした。
大まかに説明すれば、
これから半年レッスンをしてもらいます。その分の料金を支払います。
と言った内容に同意していただけでした。
・オーディション及び、事務所を選ぶ基準
まず、仕事を貰えるかどうかが最も重要です。
勿論レッスン等を受けなければならない場合もありますが、大手で手をかけて育てたいのであれば費用は負担してもらえることが殆どですし、アイドル等でない限り、強制はしません。
普通に考えたら分かる事ですが、「オーディションをして、採用するか決める」訳ですから、「レッスンが絶対必要」な人材を採用するわけががないのです。
(見た目で売って行こうというコンセプトがあれば別ですが。)
結論として、ネットで探すのであれば、「今すぐにプロになれるかも!?」や、「夢を叶えよう!!」と言った曖昧な記述しかない様なオーディションは避けるべきです。
また、サイトをよく見てみると下記の様な記述がある場合があります。
オーディション
↓
合格
↓
研究生(レッスン期間)
↓
プロデビュー
このような記述がある場合も注意が必要です。
そして、最も重要なのは「契約時」です。
もし、契約に関してわからない事があれば、積極的に質問をして下さい。
そして、出来れば詳しい方に見て貰うか、一度持ち帰って、よく読んで、検討してください。
その場で契約させようとして来たら要注意です。
最後に
夢を追いかけているミュージシャンにとって、メジャーデビューは第一の関門ですし、クリアしなければならない所ですが、もしかしたらデビュー出来るかもと言った曖昧さや、甘えでお金を浪費する事は避けて下さい。
(よほどのお金持ちなら別ですが(笑)。)
厳しいようですが、それが失敗しないポイントですし、自身でアーティスト活動をする資金繰りが出来なくなってしまうと、それこそ本末転倒ですから。
今回の記事を参考にして頂き、より良い音楽活動へ繋げてもらえるよう願っています!
そして早期に、コロナ騒動が収束する事を願いってます。
それではまた!!
“プロフィール”
太田好泰
ミュージックインストラクター、作編曲、レコーディングエンジニアから、マスタリングエンジニアまでマルチに活動。
また、電子工学の知識を生かし、エフェクター等、電子楽器の回路設計、修理も担当。
プロデューサーとしての依頼があった事をきっかけに、肩書きをサウンドデザイナーに変更。
現在、若い世代の育成を目指しながら音楽活動をしている。
コメント