「あれ、何だろうこのコード。ダイアトニックコードにないぞ?」
ダイアトニックコードを学び耳コピをしていくと、それに該当しないコードが出てくる場面に遭遇します。
J-POPならなおさらです!
それらダイアトニックコードに該当しないものを「ノンダイアトニックコード」と言います!
数限りなくあるノンダイアトニックコードですが、よく使われる「定番コード」があるので、それさえ覚えてしまえば、あなたが頭を悩ます機会は大幅に減るでしょう!
ということで今回は、J-POPで多用される定番ノンダイアトニックコードを紹介していきます!
定番のコードを知ることで、耳コピが早くなり、さらには自身の作曲レベルを向上させることができます。
実際に使われている楽曲を紹介するので、音の雰囲気と重ねて覚えていきましょう!
事前に必要な知識
・ダイアトニックコード
・ディグリー表記
わからない方はこちらの記事を読んでください↓↓↓
ノンダイアトニックコードの良さ
ダイアトニックコードのコードパターンのみでは、ある種ありきたり感や、落ち着いた印象があります。
ノンダイアトニックコードはそこに不安定感や、新たな展開を付加することができます。
なんだかありきたりな曲の雰囲気になってしまったとき、ノンダイアトニックコードがスパイスになり、時に刺激的に、時に感動的にします。
音楽の表現の幅を無限大に広めてくれる、効果的な音楽的アプローチなのです。
JPOPで多用されるノンダイアトニックコード
ノンダイアトニックコードと言いましても、ただ適当にこしらえたコードではありません。
そこには裏付けられた音楽理論があります。
てきとうでは、ただごちゃごちゃした気持ち悪い音楽になってしまいますからね。
ですから、定番のコードを覚えて置くのはとても効率がいいのです。
最近のJPOPはノンダイアトニックコードの宝庫!
その中でも最も多く使用されているノンダイアトニックコードを6つご紹介いたします。
メジャーのダイアトニックコードをもとにディグリー表記で解説しますね。
()の中は、そのコードがよく使われるコード進行例です。
参考程度にご覧ください。
今回は難しい理論はあまり話さないようにしています。
Ⅲ7(Ⅲ7→Ⅵm)
一日に何十回も耳にする超定番コードです。
ダイアトニックコードではⅢmが正しいですが、ここではⅢ7。
メジャーのコードになっています。
これはセカンダリードミナントと言われるもので、Ⅵmに行く流れをセブンスコードにしてより強いものにしています。
セブンスコードの、4度上のコードに行きたい性質を利用したものです。
(セカンダリードミナントは、4度上のコードに解決したいときに用いられることが多く、今後たくさん出てきます。)
椎名林檎「丸の内サディスティック」
イントロ A♭M7→G7→Cm7(ⅣM7→Ⅲ7→Ⅵm7)
定番も定番、セッション曲としても用いられることが多い楽曲です。
Ⅲ7(G7)を利用することでCm7に行きたい力が高まります。
ジャジーな雰囲気を演出することができますね!
Ⅳm(Ⅰ→Ⅳm)
これも代表的でとても使いやすいノンダイアトニックコードです。
ダイアトニックコードではⅣが正しいですが、ここではⅣmにしています。
サブドミナントマイナーと言われるもので、主音から見た短6度の音が入っているのが特徴です。
コレサワ「たばこ」
イントロ B♭m→F (Ⅳm→Ⅰ)
この曲はⅣmが多用されていますので、雰囲気を感じやすいかもしれません。
6小節3拍目の音もⅣmですね。
Ⅰ7(Ⅴm7→Ⅰ7)
ダイアトニックコードではⅠまたはⅠM7となるべきですが、ここではⅠ7になっています。
これもセカンダリードミナントと言えます。
Ⅰ7にすることで4度上のⅣに進みやすくしています。
玉置浩二「メロディー」
Aメロ F#→F#7→B→Bm(Ⅰ→Ⅰ7→Ⅳ→Ⅳm)
これもよくある進行ですね。
Ⅰから、Ⅰ7を経由してⅣに向かっています。
先ほど紹介したサブドミナントマイナー(Ⅳm)が入っているのでとても参考になる曲です!
Ⅱ(Ⅰ→Ⅱ)
ダイアトニックコードではⅡmとなるべきところが、ここではⅡ。メジャーコードになっています。
セブンスが付加されることなども多く、Ⅴへ向かうセカンダリードミナントと解釈されることがほとんどです。
個人的には、クリスマス系の楽曲でよく聞く気がします(笑)
back number「クリスマスソング」
イントロ(バンドイン) E→F#(Ⅰ→Ⅱ)
バンドインから2コード目で早速出てきますね。
back numberはめちゃくちゃⅡコードを使います。
Ⅵ7(Ⅲm→Ⅵ7→Ⅱm)
こちらも、普通マイナーであるⅥが、セブンスコードになっています。
これもセカンダリードミナントト解釈することができます。
(音楽にはそれぞれの解釈があるので決してセカンダリードミナントと決めつけるわけではありません!)
そう考えるとⅡmに向かいやすくなります。
斉藤和義「歌うたいのバラッド」
Aメロ3小節目 B7→D♯dim→Em(Ⅵ7→Ⅰ♯dim→Ⅱm)
Ⅵがセブンスコードになっていて、Ⅱmへと進むようになっています。
途中にあるディミニッシュコードは、よりスムーズに進むための経過音的な役割をしています。
とてもきれいな進行です…。
♭Ⅵ(♭Ⅵ→♭Ⅶ)
メジャーのダイアトニックコードに♭Ⅵのコードは存在しないはずですが、よく多用されています。
これは、メジャーキーの同主調のキーからコードを持ってきているのです。
例えば、Cメジャーキーの場合、同主調はCmキーになります。
マイナーキーの♭Ⅵをそのままメジャーダイアトニックに持ってきた形になります。
モーダルインターチェンジと言われるものですね。
Official髭男dism 「イエスタデイ」
Bメロ DM7→E→F# (♭ⅥM7→♭Ⅶ→Ⅰ)
♭Ⅵから♭Ⅶ、そしてトニックまで戻る定番パターンです。
♭Ⅵ、♭Ⅶがこうした連続で使われることは非常によくあることです。
もちろんばらばらに出てくる機会もありますが、今回はこの定番進行に当てはめて覚えていましましょう。
まとめ
今回紹介したノンダイアトニックコードは、あくまでも一端にすぎません。
ですが、どんな有名アーティストも必ずどこかで使うような超定番なものです。
これを覚えずしてノンダイアトニックコードは語れません!!
耳コピをするうえでも、絶対音感がない我々にとってコードの雰囲気を覚えておくのは効果的なことです。
参考リンクの曲と照らし合わせながら、
「このコードはこんな雰囲気がするんだなー」と、あなたなりに感じ取ってみてくださいね!!
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