オリジナル曲を作成し、ライブも軌道に乗ってくると、そろそろ音源化を考えましょう。
物販として用意する事が出来れば、ライブもますます盛り上がる事でしょう。
レコーディングを進める為の下準備の事を、プリプロダクションと言います。
略してプリプロと呼ぶ事が多いですね。
今回はプリプロの重要性と、具体的な内容について説明していきます。
【プリプロの重要性】
作曲の過程にもよりますが、オリジナル曲だとコード進行、BPMと言った曲の根幹から、ドラムとベースの絡み等が曖昧である等、曲が定まっていない事があります。
※一人で全て制作する作曲方法なら、それらのズレは少なくなりますが、各パートが正しいフレーズを弾いているかという問題も出てきます。
曲の確認が定まっていない状態でレコーディングに臨むと、レコーディングの最中に、ギターとベースのコードが異なる、バスドラとベースがズレている等、普段の練習では気付かなかった問題点が出てきます。
レコーディングではギターの単音をC→Aに変える等、根本的な部分を変える事は出来ないので、 その場合はやり直しです。
プリプロは本格的なレコーディングの前に「各パートの音を録音し、フレーズやリズム、コード等を改めてしっかりと確認する事」です。
重要なのは、耳やスマホの録音では不十分という事です。
スタジオの大音量では、実はコードがズレていても気付かない事があったり、スマホだとそもそもベース音が埋もれていて聴こえない等の問題点があります。
バンドで相談して、思い切ってMTRを購入しましょう。
レコーディングは時間との闘いです。
レコーディング作業がどんどん押していくと、その分追加料金を払う事になり更なる出費がかかります。
音源を作った後には、CDのプレス代や、ジャケット等、更なる出費が待っているので、なるべく出費は押さえたいですよね。
MTRと付属品を購入する事で、初期費用はかかりますが、今後何曲もオリジナル曲を作るなら、その都度プリプロを行う必要があるので、結果的にはずっとお金の節約になるでしょう。
【MTRでの録音】
MTRを手に入れたら、ドラムやアンプにマイクを立てて、各パート事に演奏して録音してみましょう。
この時は全員で一斉に演奏しても良いですが、レコーディングを想定するなら、各パート事に録るのが良いですね。
各パートの演奏を確認すると「こんな風に弾いていたのか」と今更になって気付く場合もあります。
ギター、ベースはドラムの音を確認しながら弾く事が多いのでテンポがズレる事は少ないですが、ドラムの録音はテンポがズレないように演奏するのが大変です。
ドラマーは普段からテンポがズレないよう、基礎練習やメトロノームやクリック音に合わせて練習する習慣をつけましょう。
ドラムが完成したら、ベース→ギター×2→ボーカルとトラックを作っていきましょう。
終わりまで通しても良いですが、Aメロごと、Bメロごとに確認した方が、修正もしやすいです。
またギターを重ね録りしたり、ピアノ等、ライブでは使用しない楽器を用いる等、音源ならではのアレンジも出来ます。
MTRではギターやベースの特定の音域を強調して音を流す事も出来るので、音のバランスを確認する事にも適しています。
演奏を聴きながら、皆が納得する音のバランスを考えていきましょう。
特定の楽器が抜けが悪い場合は、音作りそのものに問題があるかもしれません。
またギターとベースは音域が被りやすいので、音の棲み分けを意識する良い機会でしょう。
【プリプロで注意する事】
まずは演奏に妥協をしない事です。
ここでしっかりと練習が出来れば、本番での緊張は幾分和らぎます。
そして、最初は普段の演奏を心がける事です。
皆は普段の演奏をしているのに、自分だけ勝手に違う演奏をすると、またアレンジをやり直す必要が出てきます。
普段の演奏→話し合い→新たなフレーズやアレンジの変更→話し合い…この繰り返しですね。
まずは演奏やアレンジの確認が優先なので、イコライザーやコンプレッサー等の音の修正はやめておきましょう。
演奏ばかりに気を取られがちですが、コーラスもしっかりと録音しましょう。
コーラスは特に声のピッチや音程のズレが出やすいので、事前に自分のコーラスパートの音階をドレミファソラシドで視覚化しておく方が良いです。
【完成した音源をエンジニアに事前に渡す】
曲が完成したらレコーディングをお願いするエンジニアに事前に音源を渡しておきましょう。
エンジニアも事前に曲の概要が分かると、レコーディングもスムーズに進みます。
また曲のイメージも伝えておくと良いですし、音のバランスや音圧については、参考になるバンドのCD等があればそちらも渡しておきましょう。
おわりに
いかがだったでしょうか。
初めてレコーディングをする際は、何から手をつけて良いか分からないと思います。
まずは曲の見直しを行い、パート同士での意識や演奏のズレを修正する事が大事です。
貴方のバンドがより良い曲が作れるよう応援しています。
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