アコースティックギターを演奏する方は、カポ(もしくはカポタスト)を使うことが多いことと思います。
今回は一味違ったカポの使い方を紹介します。
まずはルート音を把握する
カポの達人になるためにはルート(コードの一度の音。ベース音とも言う)がどこにあるのかを知っておく必要がります。
六弦の3フレットはG、五弦の開放弦はA、といった具合です。
六弦の1フレットはFですから、1フレットにカポを付けると、Fのルート音が押さえられていることになります。
その状態で、Eのポジションを押さえると実際にはFのコードが鳴っていることになります。
そのようにルートの場所を把握しておくと、演奏したい曲のキーに合わせたカポの位置がすぐにわかります。
ギターを弾いている皆さんに是非お勧めしたいのが、一度ベースを演奏してみることです。
ベースはルート音を弾くのが基本ですので、ベースのルート音の表を見ながら弾いていくと、自然にフレット上のルートの場所を覚えていくことができます。
オーソドックスな使い方
アコースティックギターでコードを弾く場合、キーがFやB♭なら、最初から1カポ、もしくは3カポで弾くと楽です。
また、キーがGの曲をA♭に上げて演奏するとなると、バーコードが多くなるため、1フレットにカポ(以下、1カポ、2カポなどと表記)を付け、コードは同じポジションで弾けばA♭に対応できます。
キーがEの曲をF#に上げるなら、2カポにして同じポジションを弾けばよいのです。
半音上がったらカポを1フレット分上げて付け、一音上がったら2フレット分上げて付けます。
オープンコードが多くてもあえてカポを使ってみる
GやDなど、比較的オープンコードが主体のキーでも、カポを使うことによってまた一味違った演奏を楽しめます。
特にギタリストが二人いるバンドの場合は、一人がカポをハイポジションに付けることにより、音色と音域に変化が生まれ、より多彩な音になるのです。
1、Eを4カポで弾く。
4カポでEを弾くとなると、指のポジションはCの形になります。
BはGの形、AはFの形です。
しかし、ここで一つの問題は、ハイポジションにカポを付ける場合、バーコードが逆に押さえづらくなることです。
ここでの裏技は、Fではなく、FM7の形を使ってみることです。
曲調にもよりますが、それなりにマッチする音になります。
2、FやGを5カポで弾く
5カポの場合、Dの形がGになります。Cの形がFです。5カポというとかなり高いポジションですので、普段とは独特のトーンを得ることができます。
一弦、二弦を外した2カポ
一風変わった使い方ですが、オープンの弦が多く鳴っているため、広がりのある豊かな音を得ることができます。
キーはEです。
Eは三弦4フレットを押さえるだけでOK、Aは六弦5フレット、五弦4フレットを押さえればよいのです。
C#mは五弦4フレット、四弦と三弦の6フレットだけです。
G#mはバーコードになってしまいますが、F#mは五弦、四弦の4フレットだけです。
ちょっと変わった響きになりますが、そこまで違和感のある音ではありません。
もし他のキーにしたい場合は、カポを二本使います。
Fなら1カポで一本、3カポで一弦、二弦を外す、Gなら3カポに一本、5カポで一弦、二弦を外すというスタイルです。
これ以外のキーは無理がありますが、特にアルペジオの際に多彩な音を使いたい場合にお勧めです。(ただ、これはクリップ式のカポでしか使えない方法です)
その他にも、6弦を外した2カポという手もあります。
この場合、カポをしていながらも低音を強調した演奏ができます。
あえてカポを付けて作曲する
ギターで作曲をしている方におすすめです。
コード進行にはそれぞれの癖というものがあり、いくつも曲を作っていると似たような進行の曲ができたりします。
それを避けるために、あえてカポをつけて作曲をしてみるという手があります。
ポジションを変化させることにより、今までは使ったことがなかったようなコード進行が生まれるかもしれません。
まとめ:
カポで演奏を楽しむために
・ルート音を把握する
・キーを変える時に使う
・あえてカポを使い、音色を変える
・一弦、二弦を外した2カポで弾いてみる
・あえてカポを使って作曲をしてみる
地味ながら奥が深いカポ。
今まで使ったことがなかった方は、これを機にぜひ一本購入し、演奏の幅を広げてみてください。
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