FUZZで個性を磨きあげよう

ギター関連
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1.FUZZこそ「歪みモノ」の元祖

多くのギタリストにとって最重要なエフェクターといえば「歪みモノ」です。

一口に「歪みモノ」と称してもオーバードライブディストーションなど様々な種類があり、どのような「歪みモノ」を選んでいいか悩む方も多いでしょう。

今回の記事では「歪みモノ」の中でもかなり危険な薫りがするFUZZに焦点を当ててご紹介します。

FUZZという名詞には本来は「毛羽」という意味があるのです。

毛羽立たせる」という言葉は皆さんご存知でいらっしゃるでしょう。

ギター・エフェクターのFUZZのサウンドもまさに毛羽立ったものです。

幾分なめらかな「歪みモノ」のオーバードライブや、硬質でモダンな音になる「歪みモノ」のディストーションなどとは一線を画する原始的で野蛮な歪みがFUZZの最大の魅力でしょう。

音の粒子が粗くておとなしいポップスには不向きな面があるのがFUZZです。

しかし、大衆音楽とエレキギターの歴史の中で最初に登場した「歪みモノ」のエフェクターこそFUZZ。

そしてNIRVANAなどのグランジ・ロックやMy Bloody Valentineなどのシューゲイザー系のロックサウンドに欠かせない存在なのもFUZZです。

原始と現代をつなぐような「歪みモノ」の王者こそFUZZが持つ歴史と風格というものであります。

2.FUZZと設定の難しさを知ろう

このFUZZですがいささか原始的な回路で形成されることもあり、音質の調整など細かく指定できないなどのデメリットがあるのです。

しかし最新のブティック・エフェクター・ブランドのFUZZですと、こうした制約から取り払われているものも多いでしょう。

従来の決まりきったアイディアから解放された発想によって、むしろツマミの数や機能を増やしてく個体が増えてきています。

とはいえ、よくも悪くも個性が強いのがこのFUZZの最大の持ち味です。

バンドでのアンサンブルであまりにも個性的で突出してしまうためにセッティングに苦慮してしまうのは仕方がないことでしょう。

しかしFUZZの個性は個体ごとに違ってきますので、皆さんの足元の一台がギタリストとしてのオリジナリティを決定してくれます。

セッティングのポイントは飛び道具的な使用をする場合でない限り、「DRIVE」のツマミを控え目に設定しておきましょう。

その分、出力音の大きさを決める「LEVEL」は右へフルに振り切ってみるのがいいと思われます。

まずFUZZの中には単音での使用しか想定していないものがあるのです。

つまりコード弾きでの演奏では音が潰れてしまって役に立たないというFUZZ。

こうした性格を持つFUZZでは「DRIVE」を上げすぎるとギターの元の音像までも曖昧にしてしまいます。

FUZZという英語の動詞的役割では「曖昧にする」という意味があるのです。

エフェクターのFUZZはまさに毛羽立っているけれど、音が曖昧になる道具でしょう。

モダンなFUZZはほとんどがコード弾きにも対応しています。

そうした新し目の音を奏でるFUZZでも、「DRIVE」は控えめで「LEVEL」をフルにしてみてください。

そうするとオーバードライブと非常に親しいサウンドを演奏することもできます。

また、FUZZの中でもBIG MUFFなどはむしろディストーション的なサウンドを鳴らすことで有名です。

1990年代初頭、アメリカ合衆国のSUB POPレーベルでグランジ・ロックを鳴らしていたバンドの多くがBIG MUFFに取り憑かれていました。

3.FUZZとの出会いは一期一会

もっとFUZZの世界にハマってゆくと「」のような状況に落ち込んでゆきます。

気になるFUZZと出会うためにGETしては、飽きて売りに出すというサイクルに陥るのです。

そのためFUZZほどに中古市場が盛況なエフェクターも珍しいかもしれません。

ある人にとってはあまり気に入られなくて売りに出された中古のFUZZ。

その同じFUZZを中古価格で購入すると、自分との相性が非常に良かったなどの幸福な経験はたくさんあるはずです。

ロック・ミュージックに決まり事は禁物かもしれません。

しかしなめらかすぎるオーバードライブや、均質的すぎるディストーションより個性的なFUZZの方が好きだという人は数え切れません。

4.FUZZの「沼」はどこまでも深い

またロックの殿堂に入るようなギター・プレイの多くがFUZZによって生み出されました。

ジミ・ヘンドリックスの足元にあったFUZZ FACEは特にギターの歴史を変えてしまいます。

FUZZ FACEの電池交換のために内部の回路を見たことがある人は驚かれたに違いありません。

なにせ回路が信じられないほどにシンプルだからです。

セミの抜け殻くらいの大きさの小さな粗末な回路なのに、象が踏んでも壊れなさそうな頑丈で大きな丸い筐体。

しかし、そのFUZZ FACEも歴史の中でどんどんブラッシュアップされてゆきます。

ジミ・ヘンドリックスは初期のFUZZ FACEがラジオを誤受信してしまうので大変に苦労しました。

それでもその後の開発の進展の中で、FUZZもこうした不具合がなくなってきました。

あなたのサウンド、ギタリストとの個性を決定付けるFUZZの「」にようこそ。

お気に入りのFUZZと出会えることは、あなたのギタリスト人生を豊かに変えてくれます。

読者の皆さんの評価が高ければ、今後、記事はさらに続編へと展開されてマニアックで深いFUZZの世界をご紹介できるはずです。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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