オーバードライブ・ディストーション・ブースター・ファズの違い

ギター関連
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皆さんこんにちは!太田です。

ギタリストが普段使うエフェクターで、圧倒的に多いのは歪み系のペダルではないでしょうか?

ベーシストや、キーボーディストにもお馴染みですし、様々な場面で活躍してくれていますし、分かりさすさの面から見ても、ザ・エフェクターと言っても過言ではないぐらいでしょう。

しかし、歪み系と行っても色々ありますね!

ブースターとか、オーバードライブとか、ディストーションとか、ファズとか。

この違いってなんだろう?って思った事はありませんか?

「ハイゲインかローゲインかでしょ!」って思ってる方も多いと思いますし、「気にしてない!」って言う人も多いと思いますが、今回はちょっと”マニアックな視点”から、歪み系のエフェクターを分析してみたいと思います。

前置きはコレぐらいにして、本題です。

私は仕事柄、エフェクターやアンプの回路設計をする事があるのですが、回路的に見て”全て別物“だと思っています。

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・ブースター(クリーンブースター)

まずは最も簡単な回路で構成されているブースターです。

単純に音量のみを上げる事によって、プリアンプ段をドライブさせる物です。

単体でも多少はドライブするので、歪み系に分類しています。

こちらの回路は、パーツ点数も10点程度と少なく、トランジスターと言うパーツ1つと、抵抗とコンデンサーで構成されています(ICでも同じような物は作れます)。

オーディオの回路にも使えるような設計が可能な為、比較的音質を変えずにボリュームだけを上げる事が出来ます。

・ファズ

こちらは、クリーンブースター2〜3台を直列に繋いだ構成になっています。

独特のブリブリしたサウンドは、ボリュームを本当に無理やり上げて、上げてを繰り返している訳ですので、無理してる感がある音になりますね(笑)

・オーバードライブ

TS-9等のオーバードライブ系は、割と複雑な回路になっています。

入力用にクリーンブースターと同じ様な回路(インプットステージ)が有るのですが、ここではローカットをしています。

ローカットをする=音量が下がるという訳で、次の段に行く前に音量をある程度稼いでいきます。

その次にメインとなるICを用いた回路(ドライブステージ)に繋がります。

こちらでは、ファズとは違い、クリッピング用にダイオードを用います。

ダイオードの性質や、どう使うかは省きますが、ドライブステージのゲインを決める可変抵抗(これがゲイン、ドライブのノブになります。)が有るのですが、その抵抗の両端にシリアル(並行)接続します。

つまり、メインとなるICと、クリッピング用のダイオードが歪みの質感の決めてとなります。

その後、音量調整の為マスターボリュームの役割を果たす回路に入れて終わりです。

余談ですが、OD-1やTS以降コレ以外の回路は殆ど無いんです。

あの有名なランドグラフのオーバードライブでさえ、この回路のパーツ選定のし直しをして、定数を変えただけなんです。

BOSSやMAXONて本当にすごいですね!

・ディストーション

こちらも、オーバードライブと同じように、最初にインプットステーに入ります。

もちろんローカットをしています。

その後ドライブステージへ入ります(ここでゲインノブが入ります)。

その後、またローカットをして、2段目のドライブステージに入ります。

その後クリッピング用ダイオードを用いて歪みを作るのですが、オーバードライブとは違い、2段目のドライブステージの後に、シリアル(並行)接続してアースに落とします。

オーバードライブと一番の違いはダイオードをドライブ段に使うのか、ドライブ段の後に使うのかです。

オーバードライブとディストーションの合わせ技!みたいなエフェクターはあったりしますが、オーバードライブ同様、定石で他の回路はあまり無いです。

おわりに

さて、いかがでしたか?

なんとなく違いが分かりましたか?

今回説明したのは、アナログ回路のみで、デジタルになると全く別の解釈になるので、その辺だけご注意を!!

正直、回路設計している私が言うのもおかしいのですが、回路は音楽ではないです(笑)

今回は参考にと言うより、勉強程度に留めてくださいね。本気でエフェクターを作る方以外は、ヘェ〜って言うぐらいに留めて、本当に気に入ったペダルを選んでください!!

ではまたお会いしましょう!!

“プロフィール”

太田好泰

ミュージックインストラクター、作編曲、レコーディングエンジニアから、マスタリングエンジニアまでマルチに活動。

また、電子工学の知識を生かし、エフェクターの設計、電子楽器の内部設計、修理も担当。

ボイトレトレーナーとしては、音声学、医学、心理学を駆使したレッスンで、年間1500レッスンをこなし、サウンドクリエイターとして月に数曲の作編曲、レコーディング、ミックス、マスタリングをこなす。

プロデューサーとしての依頼があった事をきっかけに、肩書きをサウンドデザイナーに変更。

現在、若い世代の育成を目指しながら音楽活動をしている。

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