音に厚みを持たせたり、ベースソロを目立たせる等、様々な用途のあるベースコーラス。
近年では様々なメーカーから良質な製品が発売されています。
今回はベースコーラスの中でも高い人気を誇るCEB-3 Bass Chorusについて紹介します。
【CEB-3 Bass Chorusとは】
日本の老舗メーカーBOSSが1992年に販売したコーラスエフェクターです。
発売から20年近く経っていますが、根強い人気を誇ります。
BOSSのエフェクターは大体同じ形をしていますが、こちらは水色です。
また中古品も多く出回っており、メルカリで根気よく探せば4000円程で手に入ります。
人気の製品であるUni Chorusは7000円近くするので、「とりあえず使ってみるか」と思った時には手軽でオススメです。
愛用者として
・andropの前田恭介
・アジカンの山田貴洋
・THE BACK HORNの岡峰光舟 等がいますね。
例えばアジカンのノーネームという曲にはメロの部分にCEB-3が使われています。
聴いてみると分かりますが、そんなにがっつりかかってはおらず、むしろ音をぼやけさせて広がりを持たせる為に使われています。
【前機種のCE-2B】
何故製品名がCEB-3なのかというと、1987年にCE-2Bが既に発売されており、その後続品だからです。
こちらはギター用のCE-2 Chorusをベース用にアレンジしたものですが、倍音のみにエフェクトがかかり違和感を感じる人も多くいました。
特別な理由がなければ、CEB-3を選びましょう。
CEB-3は後続品と言いつつも、回路から大きく異なる為、別のものと考えた方が良いですね。
ちなみに色は黒色で、CEB-3よりもゴージャス感があります。
CE-2Bはギターに使うと低音はそのままに、高音にエフェクトがかかります。
ベースよりギターに使うと良いかもしれません。
【各種ツマミについて】
ツマミは4つです。
① E. LEVEL:原音とエフェクト音のミキシングレベルの調整を行います。
右に回す程、エフェクト音の割合が大きくなります。
② RATE:音の揺らぎの調整です。
右に回す程、揺れの周期が早くなります。
音に厚みを持たせるなら、左に回す
うねるような効果を持たせるなら右に回す
と考えましょう。
③ DEPTH:コーラス効果の深さの調整です。右に回す程、深くコーラスがかかります。
隠し味的にコーラスをかけたい場合は左に回す
がっつりと飛び道具的にかけるなら右に回す
と考えましょう。
④ LOW FILTER:エフェクト音がかかる音域を調整します。
右に回す程、低音域~高音域全体にエフェクトがかかり、左に回すと高音域のみにエフェクトがかかります。
RATEとDEPTHのツマミはコーラスエフェクターの基本です(RATEがSPEEDと表記される場合もあります)。
この揺らぎと深さの度合いは各種エフェクターにより異なります。
そしてCEB-3を語る上で欠かせないのが、前述したLOW FILTERツマミです。
MXR M83やUni Chorus等、ベーシストに人気のあるエフェクターは多いですが、音域を細かくセッティングしてエフェクトをかける機能があるのはCEB-3の大きな特徴です。
MXR M83にも似た機能はありますが、スイッチのONOFFだけなので「ここ‼︎」みたいな細かいセッティングは出来ないんですよね。
【セッティング紹介】
CEB-3を初めて使う場合に、どのようなセッティングをすれば良いか分からないかもしれません。状況に合わせたセッティングを紹介します。
ツマミの位置は時計をイメージしてくださいね。
・標準サウンド
E. LEVEL:12時
LOW FILTER:7時(CUTに振り切り、高音域のみにかける)
RATE:12時
DEPTH:12時
高音域のエフェクトは強く、低音域のエフェクトは薄くかけています。
低音の芯を残した音作りであり、音に厚みを持たせたい時にオススメのセッティングになります。
・スラップ・サウンド
E. LEVEL:12時
LOW FILTER:7時(CUTに振り切り、高音域のみにかける)
RATE:12時
DEPTH:3時
コーラスはスラップの余韻を持たせる時にも使われます。
こちら標準サウンドと比べてDEPTHのツマミを上げて、余韻を目立たせています。
・ビブラート・サウンド
E. LEVEL:5時(スイッチのON OFFで音量の違いが分かるようにセッティング)
LOW FILTER:5時(FLATに振り切り、高音域のみにかける)
RATE:3時
DEPTH:12時
飛び道具的なサウンドであり、ベースソロや高音域のフレーズを目立たせる時にオススメです。
ただ飛び道具としてはUniChorusのフランジャー等の方がエグくかかるので分かりやすいです。
個人的にCEB-3の印象は実用的な音作りが可能なエフェクターというイメージです。
派手さや奇抜な音ではなく、浅めにコーラスをかけた低音の芯を残したエフェクト音こそがCEB-3の真髄だと思います。
【OUTPUT 端子】
ちなみにCEB-3にはOUT PUT端子が2つあります。
こちらモノラル(1つのアンプを使う場合)で使用する場合はOUT PUT Aに接続して下さい。
OUTPUT Bだけに繋いでも音は聴こえません。
CEB-3はモノラル(2つ以上のアンプ)で音を鳴らす事が可能です。
モノラルの場合は2つのOUT PUTを使用します。
OUTPUT Aからはエフェクト音、OUTPUT Bからはベースの音が出力され、それぞれを混ぜ合わせる事でより奥行きのあるコーラスが得られます。
ライブで2つの端子を使う事はあまりないかもしれませんが、参考までに覚えておきましょう。
【まとめ】
今回はCEB-3の概要やセッティングについて紹介しました。
CEB-3の特徴は音域の調整も行えるLOW FILTERであり、様々な音作りが可能なコーラスエフェクターです。
はじめてのコーラスとして使いやすい製品だと思うのでオススメです。
今回の記事がエフェクター選びの参考になれば幸いです。
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