バンドマンの皆さんお疲れ様です!
今回は「歌詞」に着目点をおいてお話をしていこうと思います!
皆さんは歌詞はどのようにして書いていますか?
感情のおもむくままに…というのもいいのですが、
この記事では「国語の目線で歌詞を書く技術」を皆さんに授けようと思います!
今回は「韻(いん)」について学んでいきましょう!
「知っているよ!」という方もぜひ読んで再確認をしてみてください!
1.韻とはなんなのか?
まず大前提として「韻」の知識についてお伝えしようと思います。
よくラッパーなどが「韻を踏む」という言葉を使いますよね。
これはラッパーの専門用語ではなく日本語の詩を書く重要なワザなのです!
もちろんロックバンドの歌詞でもこれは大いに使用されています。
例えばOfficial髭男dism『宿命』
夢じゃない 夢じゃない 涙の足跡
嘘じゃない 嘘じゃない 泥だらけの笑顔
夢じゃない 夢じゃない 肩を組んで叫びたい
僕らの思い 届け
Official髭男dism『宿命』
のように「同じ音の歌詞を使うことにより良いリズムを生み出す」ことができます。
ここでは「夢じゃない」「嘘じゃない」「叫びたい」などが韻を踏んでいますね。
この言葉のワザがキャッチー・リズミカルを生み、曲の印象を大きく左右するのです!
2.韻を探してみよう!
ではさっそく韻を踏んでいる歌詞をみてみましょう!
パターンとしては
①全く同じ音で踏んでいる
②母音で踏んでいる
③子音で踏んでいる
の三種類が王道です。
※母音や子音がわからない場合はぜひ最初にお調べになってください!
引き続きOfficial髭男dismの『宿命』のサビで説明しますと、
なんと①も②も登場するのです。
一節の「涙の足跡」「泥だらけの笑顔」と一見、韻っぽくないこの歌詞。
しかし「ASHIATO」「EGAO」と最後の母音が「O」で終わっているのです!
これは「②母音で踏んでいる」に該当しますね。
そして「夢じゃない」「嘘じゃない」「叫びたい」は最後が「い」で終わっていますね!
つまり「①全く同じ音で踏んでいる」に該当するという事です。
これらが「韻を踏んでいる」状態です!
そして、子音で韻を踏むパターンもありますが、基本的には母音がポピュラーです!
子音についてはあとで面白い考察を書きますね!(ハードル上げておきます!)
3.2種類の韻
そして知っておいて欲しいのがこの2つの韻。
①「頭韻(とういん)」…リズムの最初で韻を踏むワザ
②「脚韻(きゃくいん)」…リズムの最後で韻を踏むワザ
ではまず①の「頭韻」からみてみましょう。
今から1300年ほど前の万葉集、天武天皇の作品でこんな詩があります。
よき人のよしとよく見てよしと言ひし吉野よく見よよき人よく見よ
…めちゃくちゃ韻踏んでるやん!
日本語の韻に対する文化の奥深さと歴史を感じますね…!
つまり「よきひとの」「よしと」「よくみて」「吉野」など…
「よ」を用いた頭韻のオンパレードというわけです。
これを声に出して読むだけでかなりリズミカルで楽しいですよね。
これが「韻」の持つパワーです!
そして②の「脚韻」。
ロックバンド、くるりの名曲『東京』の歌詞
君がいない事
君とうまく話せない事
君が素敵だった事
忘れてしまった事
くるり『東京』
このサビを一段とエモーショナルに仕立て上げているのが「〜こと」の「脚韻」ですね。
やはりサビに持ってくるとキャッチーでパワーが増して聴こえます。
ちなみに、二番の歌詞は「かな」の脚韻なのですが、途中でいきなり「まぁいいか」という韻を踏まない歌詞を入れる事で一息つく感じを演出しています。高等テクニック…!
という風に「頭韻」「脚韻」の効能はお分りいただけたと思います!
実際にできそうな気がしてきましたね!
作詞をするときこの知識が頭の片隅にあるだけでググーッと歌詞が良くなってゆきます!
4.子音について
お話ししたように、子音で韻を踏むというのもありだと思います。
人によっては「それは踏めていない!」という人もいるのですが、
リズムを出す役割は果たしているのでここではよしとします!
そして!韻とは少し逸脱しますが、子音の持つパワーをぜひ知っておいてください。
それは…「各々に属性がある」というところです。
例えば
・「カ行」は金属のような固さ
・「パ行バ行」は爆発音
・「ラ行」は流れるような滑らかさ
などなど。
ウルフルズの『バカサバイバー』では
サビの歌い出しの歌詞「バカサバイバー!」にて、
「バ行」を3回も入れる事で爆発的なインパクトを引き起こしているのです!
これら属性は語感によっても感じ方が違いますが、
きっとあなたの日本語の歌詞のエッセンスになると思ったので書き加えました。
5.最後に
ということで、今回は「韻」について学んでいただきました。
日本語の歌詞を作るためには、日本語の仕組みをよく知っていると強いです!
そしてもっとも日本語の歌詞とリンクしやすい「韻」をマスターすれば、きっとあなたの歌詞もよりリスナーに響くものになることでしょう!
ぜひこれを頭の片隅に置いて作詞に挑戦してみてください!
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