あなたが使っている楽器の「ここをもうちょっと良くしたい」と思ったことはあるだろう。
第一線で活動しているプレイヤーの楽器は、調整や改造など吊るしの既製品にはないアップデートが施されているというのは大体察しがつくと思う。
だが、たとえ廉価版のモデルだったとしても、ある程度のアップデートを行えば一生モノの相棒にだってなり得る。
“自分専用“というスペシャリティは、どんな高価な楽器にも勝るというのが持論だ。
あなたの楽器に、どんなパーツが付いてるか見てみよう
まずはピックガードを外して、あなたの楽器にどんなパーツが実装されているかを把握しよう。
極端な話だが、廉価版や入門用のギターやベースに、ちゃんとしたメーカー品の電装パーツが付いていることはほぼ無い。
要するに、通電して値が可変する最低限のパーツがとりあえず付いている、とでも言っておこう。
こういったパーツを交換することが出音の向上につながるので、見直してみてほしいポイントである。
一方で、ハイエンドなモデルやオーダー品にはそれなりのパーツが最初から付いているので、ジャックもポットも絶対交換した方が良いという見解にはならない。
ただ、念のためどういったパーツが組み込まれているかは自分の目で確認することをオススメしたい。
それは、パーツが良くてもハンダの付け方や整線がイマイチで、やり直す必要がある場合も多々あるからだ。
それから、ヴィンテージ系楽器の電装パーツについては少し話が変わってくる。
それも含めてのヴィンテージサウンドなので、壊れたりしていない限り交換はオススメしない。
ただし、現場で実用するにあたってあなた自身が必要だと思う改造については大いにやって良いと思う。
具体的に言うと耐久性の不安や、接触不良などのトラブル対策が必要な場合だ。
たとえヴィンテージだろうが楽器は道具であり使ってナンボなのである。
かく言うわたしの手持ちのベースたちも、ジャックや配線、ポット類を全機種とも交換している。
オススメする交換パーツ
それでは結局のところ、何に交換したら良いのかを説明していきたいと思う。
ジャックについては、ひと昔前までは、“Switchcraft”製を付けておけば間違いなかったのだが、現在では“Pure Tone Jack – PTT1 “という製品がオススメだ。
プラグを差し込んだ時の接点が多く、電気信号の伝達ロスが少ない。
そしてガタつきがほぼ無いため接点不良の心配が限りなく低減される。
価格は¥800-ほどなので、費用対効果を考えると、これは絶対交換するべきと断言したい。
続いて、ポットについては”CTS”製の物を選んでおけば間違いがない。
これはある程度の価格帯の楽器には標準装備されているのだが、演奏時のボリュームの使い方によっては抵抗値や、A-Bカーブの変更、残留抵抗値を限りなく少なくしたカスタムモデルなど多数の選択肢があるので、自身のプレイに合ったものを選択してほしい。
トーンを常に全開という人は、いっそのことトーンポットを外して1ボリュームだけに変更するという選択肢もある。
ポットひとつにしても、多少の電気抵抗を生みピックアップの出力の妨げとなるので、必要がないものについては配線を外してしまうことをオススメする。
他にも使わないスイッチや長すぎる配線なども電気抵抗となるので、必要最低限の回路となる様にセットアップしよう。
DIY派?ショップ派?
電装系の交換は、元に戻しやすいのでDIYでも取りかかりやすい。
わたしもハンダの種類などにも拘り最初は自分で施行していたが、現在では信頼できるリペアショップにお願いしている。
自分でやれば工賃はタダだし愛着が湧くなどのメリットもあるのかもしれないが、現場で急に音が出なくなったり、パーツが取れたりといった思わぬトラブルを回避するためにも、プロにお願いするようにしている。
ショップの知識と経験は、自分では気づき得ない様なアイデアを注入してくれたりと相棒の確かなアップデートを約束してくれる。
ビスの締め方ひとつにしても、プロにはプロの業があるのだ。
それでも自分で一度やってみたい、といったチャレンジ精神は大いに評価するが、ボディやネックなど木材の加工についてはとり返しがつかないことになるので、惜しみなくプロに任せよう。
おわりに
パーツ交換以外でも銅箔テープによるノイズ対策や、スラップ用のフィンガーランプの取り付けなどこだわるポイントはいくらでも出てくる。
自分仕様の一本にする事で演奏性と上達の向上につながれば幸いだ。
そして、せっかく巡り合った楽器に愛着をもち、末長く使い続けてほしいと思う。
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