今回は、スネアのフープについてのお話です。
スネアのフープには、大きく分けてプレスフープとダイキャストフープ(正式名称:マスターキャストフープ)の2種類があります。
本題に入る前に、まずはそれぞれについて説明しておきます。
ダイキャストフープとは
ダイキャストフープは、メーカーによって微妙に作りに違いがありますが、基本的にどれも形は同じです。
ドイツ製のドラムメーカーSONOR社のダイキャストフープは特徴的な形をしていますが、他のメーカーの物は、見た目はほとんど変わりません。
こちらがスネア用のダイキャストフープです。⇩
プレスフープとは
プレスフープという呼び名は通称で、フープによってはスーパーフープと呼ばれたりします。
スープに刻印が刻まれてあるので見ればわかると思います。
こちらがスネア用のプレスフープです↓
プレスフープは細かく分けると、
・シングルフランジフープ
・ダブルフランジフープ
・トリプルフランジフープ
の3つに分けることが出来ます。
この中で最も多く使われているのが、トリプルフランジフープです。
上記の写真とアイキャッチ画像のフープは、このトリプルフランジフープです。
ダブルフランジフープは、私も20年以上ドラムをやっていますが、お目にかかったことがありません。
ダブルフランジフープはフープの先端が内曲げと外曲げの2種類があるのですが、ここでの説明は割愛します。
そういうものがあるというのだけ知っておけば大丈夫です。
シングルフランジフープは、珍しいフープで特徴的な形をしています。
Ludwig社のスネアのアニバーサリーモデルや60~70年代のヴィンテージ品などに付けられていることがあります。
デジマートにLudwig110周年記念モデルのスネアを見つけましたので、そちらの画像を貼っておきます。
写真で見てわかる通り、普通のフープと違って、フープにボルト穴が開いていない仕様になっています。
ラグを留めるボルトに付属パーツを取り付け、フープとシェル本体をつなぐ構造になっています。
余談ですが、このスネアを一度楽器店で試演したことがあるのですが、素晴らしいスネアでした!
高過ぎて買えませんでしたが、今でも欲しいぐらいです。
シングルフランジフープというレアなフープを使っているだけでなく、パーツがゴールドパーツで見た目もカッコ良い!
ブラックビューティーのブラスシェルにチューブラグを装着する事で、シェルの鳴りを最大限に引き出してくれます。
アタックも強調されていて、程よい倍音も出て、中低音域もしっかりでる。
メチャメチャ音の良いスネアでした。
少し話が逸れましたが、スネアのフープにはプレスフープとダイキャストフープ、そしてプレスフープは、シングル・ダブル・トリプルフランジフープの3つに分かれるという話でした。
ここから本題に入りますが、プレスフープについては、細分化せずに分かりやすいように、プレスフープ全体で書いていくことにします。
結局どっちが良いんだ⁉
もしかしたらドラム初心者の方は、フープに種類があることすら知らなかったかもしれません。
大丈夫です。安心して下さい。
私もドラムを始めた頃はそうでした。
最初は誰だって初心者です。
楽器に触れて、経験を積み、勉強していくことで知識が付いていきます。
恥ずかしいことではありません。これから覚えていけば良いのです。
さて、結局スネアのフープはプレスフープとダイキャストフープはどっちが良いの?という話ですが、結論を先に言うと、どっちでも良い。
そのスネアの材質や付いているパーツによる。です。
「答えになってないじゃないか!」というクレームが来そうですが、すみません。
私の経験上、これが答えで全てなのです。本当に正解はないのです。
ドラマー1人1人が自分の好きな音を追求していって、その結果替えた方が良いのか?という考えに行きつくと思います。
ただ、音の違い(音の出方・鳴り方の違い)があるので、そこはこの後に説明します。
私は基本的に、フープが曲がったりしない限り、フープを意図的に変える事はありません。
曲がって変えたとしても、同じフープを購入して付けます。
なので、初心者の方も基本的には、買った時のままで使い続けて経験を積んで、自分の好きな音・出したい音が明確になってきた時に、フープを変えてみるという選択してみても良いかもしれません。
ただし、フープはそれなりに高いので、買い替える時は予算をよく考えてから買った方が良いです。
特にダイキャストフープは高いです。
ドラム経験が豊富で自分の音に拘りや信念を持っている人は、意図的にフープを変えたりして、オリジナル仕様にカスタマイズしている方もいます。
音の違い
ここからプレスフープとダイキャストフープの音の違いについて説明します。
まず、プレスフープは全体的に柔らかくて明るいオープンな音がします。
音がフワッと全体的に広がっていくイメージです。
J-POPや歌モノをやりたい人には、こちらのフープが良いと個人的には思います。
現在市場に出回っているスネアの6~7割はプレスフープがしようされている印象です。
理由は恐らく、製作費用の関係だと思います。
プレスフープは型を抜いて作るので、大量生産出来ます。
一方のダイキャストフープは、タイトで引き締まった音が出ます。
アタックも強く、倍音のコントロールがしやすい印象です。
6.5インチの深胴のスネアには相性が良いイメージがあります。
PearlのRefarenceシリーズやFleefloating Systemに多く使われていますね。
同じPearl製のアクリルスネアにも使われています。
こちらのスネアはRock、Hard Rock、Metal等をやりたい人には向いていると思います。
日本のバンドで具体的に言うと、GLAY・LUNA SEA・Xのようなドラムの音を出したい時には、こちらのフープをお勧めします。
プレスフープと違い、量産しにくいので値段が高くなります。
この2つのフープを比べて個人的に思うのは、CANOPUSの木胴スネアやLudwigのSupraphonicにはプレフープ、ブラスやコパー等のスチールよりも柔らかい金属シェルの胴の厚みがあるスネアにはダイキャストフープが適しているのかぁという印象です。
どちらも一長一短あるので、一概に言えませんが、どっちのフープの音が好きかと聞かれたら、私はダイキャストフープの音の方が好きです。
スネアを数台所有している方だったら、楽曲や音楽性によってプレスフープのスネアとダイキャストフープのスネアを使い分けてみるのも良いかもしれませんね。
おわりに
如何でしたでしょうか。
今回はスネアのフープについて書いてみましたが、それぞれの好みに合わせて好きな方を選んでみたらいいと思います。
毎回同じことを言うようですが、ドラムの機材選びに正解はありません。
自分で楽器店にいって試演して、気に入ったスネアを買った時に付いていた方のフープが貴方にとっての正解なのでしょう。
ドラムはシェルの素材だけじゃなく、付いているパーツ1つ1つで音が変わってきます。
いろんなスネアを見て、叩いて、自分の耳で聴いて自分の好きな理想の音に追求してみて下さい。
今回の内容がこれを読んでいる貴方のドラム人生に少しでも参考になれば嬉しく思います。
コメント