プロのミュージシャンと言われる人たちの現場で、クリップ式チューナーを見かけることは殆どない。
スイッチングシステムに組み込まれた、ペダルタイプかラックマウント式のものでチューニングするケースが殆どだろう。
もしくは裏方のギターテックがバッチリ合わせてから渡してくれているかもしれない。
それはそれとして、われわれバンドマンは当たり前のように自分でチューニングするし、あまりお金も時間もかけたくないのが本心ではないだろうか。
ここでは、現場主義のあなたにオススメなチューナーを紹介したいと思う。
[結論]迷っているなら”クリップ式チューナー”を買うべし
ズバリ!わたしのオススメは、
“TC ELECTRONIC ( ティーシーエレクトロニック ) UniTune Clip”
という、3,000円台のクリップ式チューナーである。
クリップ式だと精度が不安で、採用に踏み切れないという人は少なくないだろう。
そんなあなたに”TC ELECTRONIC “のチューナーをオススメしたい。
一般的な「針を真ん中に合わせる」クロマチックモードでの使用においても、非常に精度が高く、素早い反応で、ストレスのないチューニングを約束してくれる。
それに特筆したいのは「光の流れを見て合わせる」ストロボモードにより、±0.02セントという驚異的な精度を実現していることだ。
これはヘタなペダルタイプのチューナーよりも精度が高いと言えるのである。
そして、435〜445㎐までのキャリブレーションの設定が可能で、現場の状況やメンバーによって”ピッチの微調整“を行うことができる。
要するに、チューナーに求められる機能を全て備えているうえに、高速で精度の高いチューニングまでできてしまうのだ。
この“UniTune Clip”は、同メーカー特有のポリフォニックモードが搭載されていないため、コスパの良い製品となっている。
わたしはベーシストであるため、6弦同時チューニングという機能を必要としなかったため、こちらを選択した。
ちなみに、”ストロボモード”と”キャリブレーション”の設定ができないクリップ式チューナーも多くある。
特に、数百円の安価な製品は、ピッチが440㎐固定で、E(ミ),A(ラ),D(レ),G(ソ),B(シ)しかチューニングできないといった場合もあるので、商品説明をよく見て、自分が必要としている機能が備わっているかを確認してほしい。
クリップ式チューナーのメリット
機能面以外の利点として、軽量且つ配線不要ですぐに使用できる手軽さは最大の”ウリ”ではないだろうか。
配線(シールド)を介さないことにより、接点不良や、導電ロスによる音質劣化の懸念も無くなるので、機材を少なくしたい人や、アンプ直にこだわるプレイヤーには最適なのである。
こういったメリットがありながらも3,000〜4,000円台と、比較的安価に購入できる点も、手軽さの一つとして付け加えておく。
その一方で、わたしの経験談からの、デメリットも挙げておくので、ぜひ参考にしてほしい。
クリップ式チューナーのデメリット
①失くしやすい
まずは、失くしやすいということ。
これは、小型で軽量が故の宿命かもしれないが、付けたり外したりが容易なため、ついついアンプの上や楽屋に置き忘れてしまった経験が多い。
②落として壊しやすい
脱着時に落としてしまうことも多く、本体が歪んで電池の蓋が閉まらなくなったり、クリップ部分などを破損することがよくある。
それによって、使い勝手が悪くなり、買い替えてしまったこともあった。
③他の音に影響されやすい
スタジオ練習やライブの時など、他の楽器が鳴っていると、極端にチューナーの感度が悪くなり、なかなか検知してくれなくなる場合がある。
こういったデメリットが気になってしまう人は、ペダル型チューナーも検討してみてほしい。
ペダル型チューナーのメリット
①視認性がいい
なんといっても、ステージ上での視認性が良い。
クリップ式チューナーと比べて、表示面が大きい分、ペダル型の方が目視しやすいというポイントでは勝っている。
よって、チューニング時間の短縮にもつながると言えるだろう。
②ミュートスイッチとしても使える
ライブのMCの時などに、スイッチひとつでミュート(消音)してチューニングできるという点は、現場のニーズにマッチしておりメリットは大きい。
これを理由にペダル型を使用している人は少なくないだろう。
③他の音に左右されない。
シールド(有線)で接続するため、たとえ他の楽器が鳴っていても、邪魔されることなく、安定したチューニングが可能である。
要するに、”ペダル型チューナー”における、視認性や安定性は、ライブの時に本領を発揮するのだ。
オススメのペダル型チューナー
ペダル型チューナーも“TC ELECTRONIC”の製品で“Polytune 3”をオススメしたい。
こちらもクリップ型と同様で、ストロボモードによる高精度且つ、素早いチューニングが特徴的である。
そして、ステージ上での視認性に加えて、バッファ回路による信号劣化対策が施されているなど、ライブの現場での声をフィードバックした見事な一台だと言えるだろう。
まとめ
スタジオでのバンド練習のみならず、自宅練習においても、正しい基準のチューニングで演奏することが、練習の精度を上げてくれる。
こまめにチューニングするクセをつけるためにも、まずは、場所を選ばない”クリップ式チューナー”をひとつ持っておくのは、有効ではないだろうか。
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