貴方のバンドのボーカルはボーカルに専念していますか?
他の楽器とパートを兼ねるとしても、ほとんどがギターであり、ベースボーカルのバンドって少ないですよね?
今回はベースボーカルについての記事になります。
【ベースボーカルの難しさ】
ベースボーカルのバンドとして、モンゴル800やKEYTALK、WANIMA等が挙げられますが、ギターボーカルに比べるとずっと少ないです。
ギターの場合、コード弾きだと右手のストロークが一定な事も多いですよね。
ドラムやベースのリズム隊がしっかりと土台を支えていれば、ギターはリズムを取りやすく、ボーカルにも専念する事が出来ます。
そしてもしVo&Gt、Lead Gt、Ba、Drという編成だと、Lead Gtがバッキング演奏や、難しいパートを補ってくれる事も多く、Vo&Gtというパートであっても、歌に専念出来る場面が多いのです。
もしベースボーカルだとどうでしょうか。
ベースはドラムとのグルーヴ感が要になる為、わずかなズレが楽曲に大きく影響します。
ルート弾きでリズムを取る際も、シンコーベーションやスタッカート等でリズムに強弱をつける必要がある為、演奏時の動きが一定ではありません。
ボーカルが発する横軸のノリと、ベースに求められる縦軸のノリを同時に生み出す事はとても難しいのです。
ベースが間違えると、ドラムもギターも全てが共倒れです。
それにボーカルまで加わると、曲そのものが崩れていく可能性すらあります。
後はベースはギターに比べると、楽器そのものが重たく、各フレットの移動が大きいです。
ボーカルを兼ねると、視覚でフレットを確認出来ないので、ベースのフレーズをしっかりと覚えておく必要がありますね。
【ベースボーカルのメリット】
・ギターのフレーズの幅が広がる。
もしVo&Ba、Gt、Gt、Drという編成のバンドだとどうでしょうか。
Vo&Gtだとコード弾きが主体だった場合と異なり、ギター2人がギターに専念出来るので、バンドとしてのギターの選択肢は広がります。
・ツインボーカルが可能となる。
ツインボーカルのバンドは、しっかりしたハモリを出す事が出来たり、楽曲の中でボーカルの歌声が変わる事で、メリハリが生まれます。
ボーカル同士の掛け合いが生まれたり、ユニゾンで歌う事で、迫力を出す事が出来る等、ツインボーカルはそれだけで大きな個性になりますね。
・ベーシストがフロントマンの役割を担える。
ベーシストはバンドの土台を支える役目なので、どうしてもボーカルの影に隠れがちです(ベーシストの方ごめんなさい)。
しかしボーカルも兼ねる事で、バンドの土台も支えつつ、歌声として楽曲を表現する事が出来ますね。
後は消極的な理由としては、バンドからボーカルが脱退してしまい、Lead Gtがボーカルが出来ないと判断した時に、ベースボーカルの役割を担う場合もあります。
いずれにせよ、ベースボーカル自体はライブで頻繁に観るものではないので、それだけでバンドとしての個性は光ると思います。
【ベースボーカルの練習】
・ベースの指板を見なくても弾けるように徹底的に練習する。
まずは演奏時の意識の比重は歌に置く必要があります。
歌う事に集中していても、ベースが崩れないくらいに、ベースを弾ける事が大事です。
ベースのフレーズを覚えると共に、動きのあるフレーズの時も、動指も規則性があると良いですね。
・歌がベースのリズムにつられないように、歌のリズムとベースラインのリズムを合わせる。
ベースのラインが難しすぎて、ボーカルのリズムがベースにつられてしまう場合があります。
そんな時は楽曲に影響がない範囲でベースラインを簡略化しましょう(例えば動指は3度と5度の動きを中心にする等)。
ベースラインの崩れも良くないですが、観客が真っ先に間違いに気づくのは、ボーカルの乱れです。
・ボーカルのリズムとベースのリズムを解析する。
楽曲の中には、ボーカルがベースより半拍前に歌い始める、ボーカルのメロディーと連動せずに、ベースがドラムに合わせて休符を入れる等、ボーカルとベースのリズムが異なる場合があります。
恐らく、ベースボーカルで最も難しい箇所です。
コピーならバンドスコアを確認し、歌詞のどの部分で、ベースのフレーズがどこに位置するのかを、視覚的に確認します。
オリジナル曲なら、これを機会にスコアを作成するのも良いですね。
視覚で確認する事で、「ベースは頭から入り、ボーカルは3拍目の裏から入る…」と難しい部分を1つ1つ解析していくのです。
もし本来のBPMで歌うのが大変なら、歌える範囲までBPMを落として練習すると良いです。
慣れてくれば、徐々にBPMを本来の値まで戻していく事で、ベースの縦軸と、ボーカルの横軸を理解しやすくなります。
オリジナル曲であれば、ベースラインの動きとボーカルの音程の幅を合わせる事で、ベースラインがボーカルのガイドのような役割を果たし、音程のズレを極力減らす事が出来ます。
楽曲制作としても、ボーカルの音程にベースラインを合わせる事は、うねりのあるフレーズを作る上で役に立つと思います。
おわりに
いかがだったでしょうか。
ベースボーカルは難しいですが、1つ1つ楽曲内の各パートの縦軸を理解していく事で、出来るようになると思います。
貴方のバンドの個性を磨く上でも、ベースボーカルを目指してみましょう。
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